2023年12月5日火曜日

サークルフェスティバル2023 開催します!



今年も三木労音会員と各グループの交流をはかる手作りのお祭り「サークルフェスティバル」を開催します!
午前中は手作り品や食べ物などの模擬店、またバザーでは掘り出し物が見つかるかも。
午後は各グループが日頃の練習の成果を発表するステージを楽しみましょう!
入場無料。お好きな時間にお越し下さい。
たくさんの方のご参加をお待ちしています!

サークルフェスティバル2023
12月24日(日)三木市立市民活動センター大会議室

10:30~13:00 模擬店&バザー
・海の幸(わかめ、ちりめんじゃこ)
・農民連(野菜類、加工品)
・ゆるカフェジャスミン(パン、お菓子)
・フリーマーやまびこ(手作り品、雑貨品、佃煮)
・Cookieのお店(お菓子)
・不用品バザー

13:00~15:30 ステージ発表
・エスポワール(合唱)
・楽しい篠笛サークル(篠笛合奏)
・オカリナやまびこB(オカリナ合奏)
・いちゃりばちょーでー(三線・歌・カホン)
・プアプア&レアレア(フラ)
  -休憩-
・グリーンヒルギターアンサンブル(ギター合奏)
・マリアハープと19世紀ギター(バリアフリー楽器&ギター)
・はやしぶんきち(アコーディオン弾き歌い)
・オカリナやまびこA(オカリナ合奏)
・特別企画≪「みんなで歌おう!神鉄唱歌」公開収録≫詳しくはこちら
・藤本招吾(ハーモニカ)
・フラハレ(フラ)


会場はこちら↓

2023年11月29日水曜日

【次回例会紹介】みんなの “一生懸命”が響き合う、ライブの楽しさ伝える最強バンド! ― ワタナベフラワー(ロックバンド)

次回例会は、神戸を拠点に活躍中のワクワクロックンロールバンド・ワタナベフラワーにご出演いただきます。
今回のブログ記事では、バンドの中心人物、ボーカルのクマガイタツロウさんのインタビューを中心にご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)
2023年11月20日神戸某所にて取材

ワタナベフラワー(中央がクマガイタツロウさん)



―まずはバンドの始まりから教えて下さい。

クマガイタツロウさん(以下、クマガイさん) 僕は元々バンドをやりたくて家を追い出された、いわゆる「勘当」というやつですよ。で、いろんなバンドでギターを弾いていたんですけど、自分が作る歌を自分で歌うバンドをやりたいと思って作ったのがこのバンドです。2001年からですが、最初のメンバーはもういないです。バンド名は、当初メンバーの一人が「ザ・パフパフ」という名前を言いだして、最初は僕もそれで一生やるわけじゃないし何でもいいんちゃう、と思ってたんですけど、よく考えてみると僕がボーカルで「こんばんは、『ザ・パフパフ』です」って言いたくないなと思って(笑)。そうしていたら練習帰りの車の中から「ワタナベフラワー」っていうお花屋さんが見えて、そこから取りました。当時カタカナで意味のないバンド名がよかったので、それだけで決めたんですけど、ここまで来るとは思わなかった。でも最初から小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめるようなロックがいいなと思っていました。まあ最初のうちはそんなに強く意識してたわけではなかったんですけどね。

―他のメンバーが加入したのは?

クマガイさん もう何年になるのかな。ムサさんの参加は翌年ぐらいからだったんじゃないかな。イクちゃんも15年ぐらいやってるかな。元々うちのバンド全員、イクちゃんもムサさんもそれぞれ自分のバンドを持っていたんですよ。だから全員作曲も出来る。今はイクちゃんと僕とで半々ぐらいかな。でも誰が作ったにしても、僕が歌ったらどんな曲もワタナベフラワーの音になることを目指しているんで、そこはあんまり誰が作ってとかのこだわりはないですね。

―現在ワタナベフラワーは、バンドとして初の神戸市との公民連携を結び、様々なテーマソングや地域応援歌を歌われていますが、地元に密着した活動をはじめられたきっかけを教えて下さい。

クマガイさん 元々僕は西宮の生まれ育ちなんですよ。でもライブハウスが西宮にあんまり無くて、で、神戸か大阪か、いろいろやっていく中で神戸の方が落ち着いていていいなって思って、その後神戸を中心にやっていました。その後に大阪、東京と、活動拠点もいろいろ変わってきたんですけど、今のスタイルになったきっかけは、神戸市灘区の水道筋商店街での出来事です。元々僕は「商店街のヒーロー」になりたいっていう夢があったので、水道筋商店街の組合に自分たちで企画を持ち込んで、毎月1回商店街のアーケードの中でのライブを10カ月連続でやったことがあったんですよ。でも最初、めちゃくちゃ反対された人がいて、コーヒー屋のおっちゃんやったんですけど。そのおっちゃんに「お前誰や」「どこのもんやねん」みたいな、そら僕ら水道筋に住んでなかったし、「なんで商店街の予算でお前らのライブやらなあかんねん」みたいな感じで。でも僕はライブ観てもらったら分かるんでって言ってやり続けたんですよ。で、10カ月後の最終日に、おっちゃんが僕のとこ来て「もう終わりなんか」って。僕が「これで終わりです。お世話になりました。水道筋好きになりました。」って言ったら、コーヒーチケット持ってきてくれて、「これ、あげるわ。」って。「いや、買います、普通に飲みに行きます。」って言ったら「あんたに飲んでほしいねん」って言われて。めっちゃグっと来るでしょ。あと最後のライブの時に水道筋の法被を着させてもらったんですね。それって「その町の子」として認められたってことじゃないですか。普通よそ者は着れないんでね。それが大きいきっかけやったんかなって思いますね。「クマちゃんも水道筋の子やから」って言ってもらって、それが嬉しくて、神戸のことをよりやりたいと思ったきっかけでしたね。
さらに遡ると、実は僕、小学校5年の時に、突然母親が駆け落ちで家を出ていったんですよ。親父は長距離トラックの運転手で、3日に1回しか帰ってこない。弟と二人で自分らでご飯作ったり、洗濯、掃除したりせなあかん生活になったんです。その時に近所のおじちゃんおばちゃんが「ご飯食べていき」って言うてくれたり、市場や商店街のおっちゃんが「おかえり」って言ってくれたり、そういうことがあったので、商店街や市場には思い入れがあるんです。
それから、水道筋商店街でライブをしている中で「摩耶山で音楽フェスやってよ」という声をいただくことがありまして。ちょうど水道筋商店街の上が摩耶山で、フェスやるんやったらここやなと、みんなに喜んでもらいたいし、水道筋も通って見てほしいと思ったのもあったので、「神戸ストラット(※堂々と歩くの意)」というフェスをそこから始めました(2015年開催)。このフェスでは東北の震災孤児や被災した子供たちに、震災から20年経ったら神戸はこんなに明るくなったよ、というのを背中で見せたいっていう思いから始まったんです。
その後、摩耶山で毎年やってよって言う声もあったんですけど、僕は神戸市9区あって、まだまだ知らんところ、ええとこがあるんちゃうか、それを見せていくフェスにしようと思って、毎年区を変えてやってきたんです。コロナ禍で止まってしまったんですけど。

―神戸市の各区に実際に住んでみられたそうですね。

クマガイさん 2020年の緊急事態宣言でどこにも行けない時に、自分が何ができるかって思ったんですよ。以前から僕は「神戸で一番の男になりたい」ってずっと思っていて、何が一番か、それは「一番盛り上げている奴」、そのためにはやっぱり神戸のことを一番知らなあかんと。どうしたらいいか、と考えて思い至ったのが「住む」。ライブできない、イベントもない、「今や」って思って実行しました。住んでみて、お店とか場所とかいいとこを発見して、それを配信して知ってもらおうとyoutubeで配信したんです。お店とか場所とかはイベントと違って一気に人が集まるんじゃなくてちょっとずつみんなに行ってもらうじゃないですか。それやろうと思って、で1年かけて9区全てに住んでみました。
心に残る出会いがそれぞれ9区全部にありましたね。そういう経験を通じて、自分の中で神戸に対しての愛情も深くなっていったって思うんです。

―今年は史上初の神戸まつり応援隊長を務められましたね。

クマガイさん 9区住み終わった時点で、神戸市に言いに行ったんですよ。「神戸まつりの本祭の前日の土曜日にある、9区それぞれのお祭りの全てで歌わしてくれ、ギャラ無しでいいんで。」って。毎年言い続けて、ようやく今年それが叶いましたね。
 なんか自分に説得力が欲しかったんです。「神戸のバンド」というからには、ちゃんと神戸のええとこを発信できるバンドでいたいなという気構えがあったんやと思いますね。

―『一生懸命はやめられない』というライブでは毎回歌われている素敵な曲がありますが、それについて教えていただけますか。

クマガイさん 2014年に「森脇伝説」というテレビ番組のテーマソングとして作ったんですけど、森脇健児さんから電話かかってきて、「ウルフルズの『ガッツだぜ!!』って曲あるやろ、あれのもっとええやつ書いて」って言われて(笑)。森脇さんはコツコツとやってはる方なんで、森脇さんをイメージしながらも、僕らは「応援ソング」みたいなのがなかったので、「頑張れって言わずに応援できるような歌」ということをテーマにして作りました。
 さっきも言ったように、自分が小学校の時に自分らで頑張らなあかん状況になって、僕はいろんなおっちゃん、おばちゃん、商店街の人、ご近所さんにすごいお世話になって生きてきました。バンド活動も一生懸命やってきて、振り返ったらもう22年。時には「NHKみんなのうた」をやらしてもらったり、テレビ、ラジオなど、いろんなメディアで世に出るタイミングがありましたが、そんな時、昔、西宮でご飯食べさせてくれてたおばちゃんとかに、地元に帰った時に声をかけられるんですよ。「クマくん見たでー」「出とったな」とか。水道筋商店街の人達もみんな声かけてくれたりして、そういう時、一生懸命やってたらこんな風に周りの人が喜んでくれるタイミングがあるんやな、と気づいたんです。もちろんライブは目の前の人に喜んでもらうためにやるし、それもいいんですけど、それ以外の所にも届く瞬間は、自分が一生懸命やってきたからこういう瞬間があるんやろうな、だからまた恩返ししたい、と思いますね。
この歌をライブで歌っている時、自分自身にも言っている歌やと思いますね。だって普段は一生懸命出来ない時もあるじゃないですか。でもその瞬間はやっぱり一生懸命歌わないと伝わらないし、そこはみんなメンバーとかスタッフとかも、ぐっとこの曲の時は集まる感じがしますね。



―ワタナベフラワーのライブは様々な工夫が凝らされていますが、ライブへの思いを教えて下さい。

クマガイさん 元々1時間半とか2時間のワンマンライブは、いろんな演出を自分達で考えてやっていました。でもお祭りやイベントに呼んでもらう機会が増え、時間的にも毎週ライブがあって、イベント出演の演出まで手が回らなくなったんですよ。またコロナ禍でライブが減って、1本のライブの大切さにあらためて気づいた。ワンマンライブにはいろんな事情で来れない、そんな人にとって短い時間のイベント出演のステージでも、その1回が全てじゃないですか。だからそこにもワンマンライブと同じぐらいの情熱をかけるべきなんちゃうかとメンバー同士で話をして、毎回その時しか見れない演出を作る。コスプレで演出しようとか、手作りでこんなことしようとか、時にはプロの手を借りて花火上げてみようとか、もちろん予算と時間の制約もありながらやるんですけど、その時その時しか見れない演出をやっていきたいですね。
三木にはこれまでにも何度か来たことがありますが、ライブに向けてはメンバーと話をして、掘り下げて考えていきたいと思っています。

―今後の目標を教えて下さい。

クマガイさん たくさんある中の一つに「紅白歌合戦に出たい」というのがあるんです。これは、最初の所属事務所の社長が、僕らが事務所を出て東京の事務所に行った時に「行ってこい。それでどうしてもだめやったらうちに戻ってこい」って気持ちよく送り出してくれた、めっちゃいい人やったんです。その社長が、僕らが東京でメジャーデビューした時にラジオにコメントくれたんですよ。その時社長自身は闘病中やったのに。その社長は嘉門達夫さんの幼馴染みで、「俺は(嘉門)達夫も含めていろんなやつを紅白に送り出してきたけど、ワタナベフラワーも絶対紅白行けるから、コツコツやれ」って。僕、紅白はそんなに好きやなかったんですけど、僕らが出て社長の言葉を証明したい。社長はその後亡くなられたんですけど、自分が歌っているうちに実現したいですね。なんかね、「白組トップバッター、ワタナベフラワーです」って、白組のトップバッターやのに赤い衣装で出る(笑)、お前なんやねん、みたいな感じを描いています。

―三木のライブにむけてメッセージをお願いします。

クマガイさん これはいつもライブで言っていることですけど、「知っているか知らないかじゃなくて、知ろうとする気持ちが大事」、「楽しいか楽しくないかじゃなくて、楽しもうと思う気持ちが大事」、これを伝えたいですね。楽しもうとした時点であなたは偉い。みなさんもぜひ楽しもうとしていただければ嬉しいです。ライブはみんなで作るものなんでね。



ワタナベフラワー メンバー全員に聞いてみた
【問】 三度の飯より好きなもの(こと)


クマガイタツロウさん(ボーカル)
【答】 漫画を読みながら寝る
その日に嫌なことがあってもこれをやれば幸せになります。

ムサさん(ベース)
【答】 アニソン(アニメソング)
伝説の名曲にもまだ見ぬ新曲にも、愛と勇気と友情と努力根性勝利熱血SF宇宙科学セクシーラブコメ無敵ロボットスペクタクル大河ロマンが詰まっているから。

イクローさん(ギター)
【答】 ラジオ
めちゃくちゃおもしろいのにまだ光が当たっていないお笑い芸人さんのラジオが特に好きです!

やっちんさん(ドラム)
【答】 機械
人見知りとパソコン好きが高じてITの仕事をしておりますが、モノの考え方やドラムのリズム、立ち居振る舞いもデジタル寄りです。

ichiさん(キーボ-ド)
【答】 古い鍵盤楽器
楽器1つ1つに個性があります。音も温かくて鳴りが気持ちいいです。最近は曲作りの時にWurlitzer 200Aを弾いています。



ワタナベフラワー プロフィール
Vo.クマガイタツロウ Gu.イクロー Ba.ムサ Key.ICHI Dr.やっちんの5人で活動中のワクワクロックンロールバンド。
「ブルーハーツやキダタローさんばりに15秒くらいで覚えられておもしろい音楽。」と「あんまり何を言ってるか分からないけど楽しそうなMC」で様々なお祭り、ライブハウス、幼稚園のイベント等に出演。
NHKみんなのうたを始め、TVCMタイアップ等も長年活動してるだけあって物凄く多い。
ヴィッセル神戸応援大使を始め、多くの応援大使も務める「応援番長」でもある。
バンドとして初の神戸市との公民連携を結び、神戸市公認のバンドとなり「本当にいいの?」と困惑しながらも頑張っている。
KissFM KOBE、ラジオ関西、明石ケーブルTVにレギュラー出演中。
公式ホームページ https://watanabeflower.com/

三木労音12・1月例会(第198回)
ワクワクロックンロールバンド ワタナベフラワー LIVE in みき
2024年1月14日(日)14:00開演
三木市文化会館小ホール
参加費 会員/会費のみ 一般/親子ペア券4,000円
※親子ペア券は大人1名+中学生以下のお子様1名の料金です。
※大人1名の参加の場合も同額になります。
※その他に高校生、障がい者割引有。また子ども人数追加の場合などはお問合せ下さい。
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(ワタナベフラワー例会から参加希望の方は12・1月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

2023年11月27日月曜日

ふるさとの人々の心に響いた、美しい歌声

もうすぐ11月も終わりに・・・時が経つのは本当に早いですね。

さて、今月半ばの11月12日(日)に、三木労音例会「鬼一薫ソプラノリサイタル」を開催しました。
素晴らしい歌声、工夫されたステージ運び、誠実なお人柄と、本当に素敵な舞台を務めていただいた鬼一薫さん。
三木市出身でこんなに素晴らしい方がいらっしゃったのだと、多くの会員に知っていただけた舞台だったのではないでしょうか。

開演前に例会スタッフの皆さんで鬼一さん、そしてピアノ伴奏者の蜷川千佳さんの歓迎会を行いました。
会長から三木労音へ歓迎のあいさつ。
ちなみに横断幕には、鬼一さんは三木市出身なので、「ようこそ三木」ではなく「おかえりなさい三木へ」。

鬼一さんを推薦してくださった、いろはサークル藤田さん(一番左)からも歓迎の言葉を。
この後、鬼一さんからご挨拶をいただいた時、感激で少し涙ぐまれる鬼一さんに、スタッフ一同も思わず胸いっぱいになった場面も。
鬼一さんのリサイタルが素晴らしいものになりますよう、みんなで力を合わせましょう!

そして始まりました第1部。
コロラトゥーラソプラノらしい、華やかで技巧的な歌声に、客席が一気に引き込まれました。

1曲目が終わって最初の鬼一さんのあいさつで、「普段でしたら1曲目は緊張するのですが、今日は始まる前に温かい歓迎を受け、最初から気持ち良く歌えました」と言っていただきました。
その後も、曲ごとに魅力をひも解くトークをしていただき、みなさんリラックスして演奏に集中。「知らない曲でも歌の情景が見えた」という声も多く寄せられました。
歌手にとっては歌にトークにと、かなりの負担だったと思いますが、そんなことは全然感じさせない堂々たるステージでしたね。
また、1曲ごとに表情やしぐさ、時には小道具も交えて繊細に表現を変えていかれたのには、流石!オペラで育まれた実力を堪能させていただきました。

2部の途中には、客席の皆さんと一緒に歌う場面も。
鬼一さんの歌声と皆さんの歌声が交じり合い、温かい響きに包まれました。

また蜷川千佳さんのピアノ伴奏もとても素敵な演奏で、鬼一さんからの信頼も厚く、素晴らしいサポートをしていただきました。

最後は大きな拍手に包まれて終演。

鬼一さんには今回、お子様がまだ小さく子育てがいちばん大変な時にも関わらずご出演を受けていただきましたが、きっと準備などにご苦労も多くあったと思います。
ご家族の皆様の協力もあってこその今回の素晴らしいステージと、鬼一さんにも、ご家族の皆さんにも本当に感謝します。

冒頭にも書きましたが、今回の例会でこのような素晴らしいアーティストが三木から羽ばたいておられることを知ることができ、誇らしい気持ちになりました。
これからもご活躍を応援していきたいですね! 

2023年10月2日月曜日

【次回例会紹介】母と歌った幼き日の歌を原点に、母になった今の気持ちを歌に込め ― 鬼一 薫(きいち かおる/ソプラノ歌手)

次回例会は、数多くのオペラなどでご活躍されている、三木市出身のソプラノ歌手・鬼一薫さんにご出演いただきます。
今回のブログでは、鬼一さんへのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)、藤田紀子(いろはサークル)

鬼一薫さん



―まずはじめに、鬼一さんが音楽に興味を持ったきっかけを教えて下さい。

鬼一薫さん(以下、鬼一さん) 私の母がピアノ教室の先生で、子どもの頃に母の伴奏で童謡を歌う遊びをよくしていて、とても楽しかった記憶があります。生活の中に音楽があふれていて、自然に興味を持ったのかなと思っています。母は他に得意なことがなかった私に、音楽が好きという気持ちを見つけて伸ばしてくれました。初めて習ったピアノは母ではなく藤田紀子先生でした。ピアノの練習より先生に会いに行くのが好きで、レッスンに行く途中に道端で咲いているお花を摘んで先生に持っていった記憶があります。ピアノ自体は不真面目な生徒でしたが(笑)。
 
―声楽を始められたのは?

鬼一さん 私は「音楽科がある高校にそのまま入れる学校」という母の勧めで、中学校から神戸山手女子中学校に入学しました。入学して最初の秋頃に、母から「あなたは歌うのが好きそうだし、歌を習ってみる?」と言われたのがきっかけです。当時はオペラの世界も全然知らないですし、歌を習うってどういうことだろうとすごく驚きました。でも私も変に(?)素直で、そう言われるのだったら習いに行こうかと軽い気持ちで始めました。今になって思えば、私の進路について早めに方向性を見つけてあげようという母心だったのですね。
声楽を本気でやろうという気持ちになったのは実は随分後になってからでした。神戸女学院大学音楽学部を卒業した後に、関西二期会のオペラ研究所に行き、そこで初めて大きな刺激を受けました。大学までの環境と大きく違っていて、先生方も大変厳しく、今思えばよく耐えることができたなという程でした。2年間の研修課程は、歌だけではなく演出家の先生から役の演技の指導も受け、まさにオペラの舞台に立つための勉強の場。当時はまだ歌うこともままならない上に、演技をするというのが大変で、しがみついていくのに必死でしたが、楽しくもありました。

―音楽生活の中で影響を受けたこと、またターニングポイントがあれば教えて下さい。

鬼一さん 学生の頃、試験やコンクールで歌う時は、より良く見えるように、上手に聞こえるように、ということばかりを考えていましたが、大学や研究所で学んでいく中で、先生から「作曲家が意図していることを汲み取って、それを表現するのがあなたたちの仕事です」と言われたことに目を開かされました。それからは上手く歌えることばかりを考えるのではなく、作品に込められた意図を伝えることを目指すようになりました。
また研究所時代に演出家の先生から「君たちは(舞台で)お客さんをおもてなしするのです」という、とても良い言葉をいただきました。
その二つの言葉から、お客さんに楽しんでいただく、また作品の良さをより伝えたいという気持ちが芽生えて、舞台での気持ちに変化が生まれました。今でもまだ良く見せたいという欲の方が出てきそうで、きちんと整理するにはまだまだ修行が必要ですが・・・。


―地元、三木市での思い出は?

鬼一さん 所属団体が大阪、神戸、宝塚ということもあって、これまで三木で音楽活動をする機会は多くはありませんでした。そんな中で一番思い出に残っているのが、私が住んでいた町内の自治会館でのふれあいコンサートに呼んでいただいた時のことです。近所の方に大勢来ていただき、今までで一番アットホームなコンサートでした。終了後も、こんなにお客さんと交流できるコンサートはないというくらい、皆さんとゆっくりお話ができました。
最近は、実家に帰った時に防災公園や三木山森林公園で散歩するのが好きです。静かで実家に帰った時が一番よく眠れる(笑)住んでいた頃は特別思っていなかったのですが、今はすごく良いと思います。

―現在の活動や今後の目標について教えて下さい。

鬼一さん 実は昨年娘を出産して子育てが始まったところなのです。今まで自分のことだけに時間を使えましたが、子どもが産まれてからはそれではいけなくなる、大変なことなのだなと痛感しています。本当に世のお母さんすごい! 思うように時間を割いて練習することができなかったりするのですけど、一方で、子どもがいて、子育てしながら音楽もできることが凄くありがたいことなのだと思えてきました。大変な中ですが、この状況の中でこそ生まれる表現もあるかもしれない、と自分のプラスにしていきたいと思っています。
現在は、この間のコロナ禍による制約や、出産・子育てが始まったこともあり、活動が細々になってしまっていたのですが、ようやくコロナの規制が緩和されてきましたし、子育て生活にも一定馴染んできましたので、活動への意欲が湧いてきたところです。今は母校である神戸山手女子高校と神戸女学院大学で後進の指導に当たりながら、少しずつ舞台にも復帰しているところです。まだ大きな目標というのは描きにくいですが、まずは家庭と音楽活動とを両立できるようにするのが今の目標ですね。またオペラの現場にも早く戻りたいです。現実的には子どもが小さいうちに夜の稽古に行けるかという悩みはありますが。またこの夏「0歳からのコンサート」に出演した際に、娘も客席にいたのですが、うちの娘だけが私の声を聞いて泣いて・・・。とにかく大きい音が嫌みたいで怖かったのだと思います。

―11月のプログラムについて、また抱負をお願いします。

鬼一さん 演奏曲はまず前半に、これまでに温めてきた楽曲の中から、コンサートで歌ってみたかった曲、またこれまでに歌ってきた好きな曲を盛り込んでいます。18世紀のバロック時代を代表する作曲家の一人ヘンデルから、『カヴァレリア・ルスティカーナ』の作曲者マスカーニの歌曲、イタリアの近現代作曲家ヴォルフ=フェッラーリ、そして20世紀アメリカの作曲家バーバーまで、作曲者の時代順に並べています。
そして後半は、今年生誕100年になる中田喜直さんの作品を多く入れました。最初の4曲は四季をテーマに4つの唱歌をまとめました。前半がマニアックなので、ここで懐かしいメロディーを聞いていただき、気楽にほっこりしていただけたら、また一緒に口ずさみたくなるような気持ちになっていただけたら嬉しいです。その後の楽曲は本格的な日本歌曲で、中田喜直さんというと皆さん聞きなれているのが「めだかの学校」「夏の思い出」などの唱歌、童謡だと思われますが、抒情的な素晴らしい日本歌曲も数多く作られています。歌のメロディーはわりと聞きやすいメロディーなのですが、伴奏は超絶技巧なところもあり、中田喜直さんのそういった一面も知っていただけたら嬉しいです。最後はヨハン・シュトラウス2世の歌劇「こうもり」から「故郷の調べ」。シュトラウスというとワルツが有名ですが、この曲は「チャルダッシュ」というハンガリーの舞曲の形式の曲で、最後を華やかに締めたいと思います。
最初にお話しましたように、子どもの頃に母と遊びで歌っていた曲の中に中田喜直さんの「ちいさい秋みつけた」がありました。私の歌の原点になっている、小さい頃から好きでよく歌っていた歌を、今回のふるさと三木でのリサイタルで歌わせていただける、今回のご縁に大きな感謝の気持ちを持って歌わせていただきたいなと思っています。

中央が鬼一薫さん、左が文中にも登場する藤田紀子さん、右が小巻事務局長。
2023年9月11日 神戸三宮某所にて。



鬼一 薫 ソプラノリサイタル プログラム
ピアノ/蜷川 千佳

≪第一部≫
G.Fヘンデル:オラトリオ『サムソン』より 輝けるセラフィムに
P.マスカーニ:セレナータ、花占い、月、アヴェ・マリア
E.ヴォルフ=フェッラーリ:4つのリスペット Op.12
S.バーバー:雨は降り続く、今は眠れ、ノクターン

≪第二部≫
中田喜直:さくら、夏の思い出、ちいさい秋みつけた、雪の降るまちを
   さくら横ちょう、悲しくなったときは、髪、歌をください
J.シュトラウス: オペレッタ『こうもり』より 故郷の調べ


鬼一 薫(きいち かおる)プロフィール
兵庫県三木市出身。神戸山手女子高等学校音楽科、神戸女学院大学音楽学部卒業。大学卒業後、兵庫県立芸術文化センター・ワンコインコンサート、NHK-FM名曲リサイタル(公開収録)などのコンサートに出演。オペラでは関西二期会本公演「カルメン」ミカエラ役でデビュー、その他「ラ・ボエーム」ミミ役、「蝶々夫人」蝶々夫人役、「魔笛」パミーナ役、「ドン・ジョバンニ」ドンナ・アンナ役、ツェルリーナ役、「フィガロの結婚」ケルビーノ役、「ファウスト」シーベル役、「トゥーランドット」リュウ役、県民オペラ「魔法の靴」シンデレラ役などに出演。2017年12月にはイタリア リボルノのゴルドーニ歌劇場にてオペラ「イリス」に芸者役で出演(関西二期会との共同制作)。2010年に神戸女学院大学の推薦により訪米、在シカゴ日本国総領事館主催の演奏会に出演。2012年、2015年に中東オマーンにて在オマーン日本国大使館主催の演奏会に出演。第6回ひょうごアーティストサロン賞、平成29年度坂井時忠音楽賞、平成30年度神戸市文化奨励賞を受賞。これまでに植村早智子氏、松本幸三氏、斉藤言子氏に師事。
関西二期会、日本演奏家連盟、神戸音楽家協会各会員。
現在、神戸女学院大学音楽学部、神戸山手女子高等学校音楽科非常勤講師。

蜷川 千佳(にながわ ちか)プロフィール
神戸女学院大学音楽学部ピアノ専攻卒業。同大学大学院音楽研究科修了。2004 年、ローラント・バーダー指揮、ポーランド国立クラクフ室内管弦楽団と共演。 2008 年、ザルツブルクで行われるマイアミ大学主催、 声楽講習会にティーチングアシスタントとして参加。 第33回摂津音楽祭において伴奏賞受賞。現在、神戸女学院大学、四條畷学園高等学校 各非常勤講師。関西二期会、堺シティオペラ等においてオペラを中心にアンサンブルピアニストを務める。西宮音楽協会会員。宝塚演奏家連盟演奏会員。


三木労音10・11月例会(第197回)
鬼一 薫 ソプラノリサイタル
2023年11月12日(日)14:00開演
三木市文化会館小ホール
参加費 会員/会費のみ 一般/4,000円
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(鬼一薫ソプラノ例会から参加希望の方は10・11月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。


2023年8月24日木曜日

真夏の中駆け抜けたトリオ・カルディアツアーin三木

強烈に暑かった2023年の夏も、処暑を過ぎると暑さも少しやわらいできて、少しホッとしています。
皆様も夏の疲れが出ませんように、気をつけて下さいね。

さて、遡ること先週8月19日(土)、お盆も終わったのにまだまだ猛暑が残る中で、三木労音8・9月例会「トリオ・カルディア コンサート」を開催しました。
メンバーは、2年前のギター&ヴァイオリン「風の旅」のゲストでご出演いただいたフルートの日野真奈美さん、そして日野さんの同級生のヴァイオリンの星野沙織さん、ピアノの高橋亜侑美さん。3人は国立音大附属小学校からの幼馴染みという間柄で、大学卒業後にトリオを結成し、これまでにコンサート活動、またCDも3枚出されるなどご活躍をされています。
今回は、トリオ・カルディアとしての初のコンサートツアーということで、8月8日山口県の宇部音鑑を皮切りに、山陽道ブロック労音の7団体8公演を実施。
折しも猛暑がピークの頃で、また期間中2つの台風がやって来る中、それをすり抜けながら各会場とも無事成功理に終わりました。
三木労音はツアー終盤最後から2つ目で、素晴らしいステージをお届けいただきました。

例会スタッフで開演前にロビーで歓迎会を開きました。
 
開演前の会長あいさつ。これからの舞台に期待が高まります。

そしていよいよ開演です。3人のメンバーが表れると、ステージにパッと華が咲いたようです。


日野真奈美さん

星野沙織さん

高橋亜侑美さん

フルート、ヴァイオリン、ピアノという編成のトリオは他にあまり聞かない珍しい編成ですが、華がありつつ温かなフルート、艶っぽく情熱的なヴァイオリン、しっかり包み込むように支えるピアノ、と、それぞれのキャラクターが楽器を通じてにじみ出てくるようで、このメンバーだから響かせられるサウンドを持っておられると感じました。
選曲も前半が6月に出された新譜からを中心に、クラシック作品の中からダンス音楽をセレクトしたプログラム、後半がなじみ深い唱歌やジブリ作品、映画音楽などポピュラーなプログラムと、聴きやすく、また聴き応えのあるもので好評でした。

後半はドレスも替えて。

また、演奏以外にもトークで三木にまつわるお話をしてくださったり(文化会館に来られる前にみすゞ刃物さんで包丁を購入されたそうです)、各楽器紹介では突然クイズが始まり、正解者の中からジャンケン勝ち抜きで2名の方にサイン色紙をプレゼントしたりと、あちこちに客席を巻き込んで楽しんでもらう工夫もされて、それもgoodでした。

最後のチャルダッシュでは、日野さん、星野さんがなんと客席から登場!
ロマの調べに乗って客席を隅々まで回って、時には握手をしたり客席に座って演奏したりと、会場の皆さんの近くまでいっての演奏に、大変盛り上がりました!
移動しながら、跳びはねながら楽器を演奏するお二人に、感嘆と大きな拍手が!
ピアノの高橋さんが「私も一度客席に降りて演奏してみたい」と後で残念がっておられました。

終演後のサイン会で、直接メンバーに感動を伝える人もたくさんおられましたね。
最後に三木労音の会長、副会長、事務局のメンバーで記念写真。


トリオ・カルディアの皆さんの今後のご活躍も期待したいですね!
2年前の「風の旅」と同じく、今回のトリオ・カルディアのツアーも東京労音の尽力で実現することができました。素晴らしいアーティストとのご縁を結んでいただいた東京労音にも感謝します。
真夏の猛暑の中のツアー、お疲れさまでした!!

2023年7月24日月曜日

【次回例会紹介】幼馴染み3人のアンサンブルが生み出す、心あたたまる魅惑のハーモニー ― トリオ・カルディア (アンサンブルユニット)

次回例会は、フルート、ヴァイオリン、ピアノのアンサンブルユニット「トリオ・カルディア」による山陽道労音7公演のひとつとして開催します。
今回のブログでは、トリオ・カルディアの3人のメンバーのインタビューをご紹介します。


写真右から日野真奈美さん、高橋亜侑美さん、星野沙織さん

《トリオ・カルディア 山陽道労音ツアー》
8/8(火)19:00 宇部市文化会館(山口県)
8/10(木)14:00/18:45 米子コンベンションセンタービッグシップ(鳥取県)
8/12(土)14:00 加古川・松風ギャラリー(兵庫県)
8/13(日)14:00 宍粟市山崎文化会館( 〃 )
8/17(木)18:30 姫路キャスパホール( 〃 )
8/19(土)14:00 三木市文化会館( 〃 )
8/20(日)14:00 赤穂化成ハーモニーホール( 〃 )




―まずはメンバーそれぞれの自己紹介と、ご自身が担当する楽器の好きなところ、自分に合っていると思うところを教えて下さい。

日野真奈美さん(以下、日野さん) お寿司、お花、神社が好きなフルートの日野真奈美です。フルートはリードやマウスピースなどを通さずにダイレクトに息を入れる楽器なので、人の声に似ていると言われています。なのでいろんな音が出せるのですが、特に透明感のある音色に魅力を感じています。フルートが自分に合っているのかはわかりませんが、私は大好きなので、振り向いてもらえるように(良い音楽が出来るように)精進している日々です!
 
星野沙織さん(以下、星野さん) アニメ、ゲーム、お酒が好きなヴァイオリンの星野沙織です。ヴァイオリンは楽器によって顔や色はもちろん、音色もかなり変わるので、私たち奏者にとったらまさに「替えのきかない、かけがえの無い唯一無二の相棒」です。自分に合っていると思ったことはありません。ヴァイオリンはとても難しい楽器で私などが手を出してはいけない楽器だったのだと、弾くたびに自分の技量のなさにがっかりしております。なので、楽器に呆れられたり、見限られたりしないよう、日々精進してお付き合いしているつもりです。

高橋亜侑美(以下、高橋さん) スポーツ、ダンス、友達とおしゃべりが大好きなピアノの高橋亜侑美です。ピアノの好きなところはスケールの大きさ、多彩なハーモニーを奏でられるところ、重厚な音だけでなく“コトン”と芯のついた繊細な音がとても魅力的だと思います。自分に合っているかは分かりませんが、アンサンブルでのピアノの役割は支えと視野を広くもつこと、音楽の方向性を示したり誘導したり時に上(メロディライン)を転がしてみたり…そんな風になれるように日々精進です。

―3人は幼馴染みだそうですが、出会った頃のそれぞれの印象(小学生時代)はいかがでしたか?また音楽を介した交友はいつからですか?

日野さん 星ちーは絵が上手で、卒業文集に「夢はヴァイオリニスト」と書いていて、すごくかっこいい!と思っていました。あゆはクラスの中心にいるダンスが踊れる活発な子!実は四天王と呼んでいました(笑) 幼馴染である私たちですが、初共演は18歳〜22歳くらいになります。

星野さん 真奈美は将棋がうまくて足の速い子、という印象でした。あゆみちゃんは朗らかで頭が良い印象!音楽で関わったのは大学を卒業するあたりだったかと思います。
 
高橋さん まなみは一見おとなしそうなのに話すとなんだか面白いぞっ!!と思いました。高校生の時に共演し始めました。ほしちーはチワワみたいに可愛くて絵が上手な子、学生を卒業する頃に共演しました。

―「トリオ・カルディア」としての活動はいつ頃から始められましたか?またそのきっかけを教えて下さい。

日野さん きっかけは私と星ちーが、音大を卒業する時に一緒に活動したいね!という話しになり、ピアニストは誰が良いかな…と最初に思い浮かんだアユを誘いました。

―メンバーそれぞれが影響を受けた音楽体験、音楽家を教えて下さい。

日野さん 自分が着た白いワンピースに映像を投影し、演奏すると映像が反応して色や形が変わる、というコンサートに出演し感銘を受けました。作品の一部になる面白さを知り、ライブペイントやダンスなど、音楽と他の芸術をクロスさせたコンサートを企画するようになりました。憧れのフルーティストは師匠の佐久間由美子先生と、ウィーンフィル主席のカール=ハインツ・シュッツさんです。
 
星野さん 恩師の演奏スタイルは私にとってとても衝撃的でした。それはウィットといたずら心に富んでおり、音だけではなく、観てて楽しいステージというものがいかに魅力的かということを私に教えて下さいました。音楽家でいうと、ビョークの音楽はとても刺激をうけました。
 
高橋さん 大学に入学して間もない頃、門下の先輩の演奏を聴いて鳥肌が立つほど感動し、そこから強い憧れをもって練習に励みました。自分が作曲した曲を、作曲専攻の友達がショパンっぽいと言ったので、自然に影響を受けたのはショパンかもしれません。好きな調もショパンと偶然同じでした。

―今回のツアーの抱負をお願いします。

日野さん 私たちがずっと目標に掲げてきたことは、正に今回の「コンサートツアー」です。夢が叶ったことに甘えることなく、一公演ずつカルディアのパフォーマンスが成熟していけるよう頑張ります!

―トリオ・カルディアの今後の目標を教えて下さい。

日野さん ツアーの次は「全県制覇」でしょうか。とはいえ、大きなホールでも、小さなカフェのような会場でも、いつも私たちらしく目の前のお客様お一人お一人の心に届くような音楽を大切にしていきたいです。そして『またカルディアが聴きたい!』と言っていただけるような、リピートしていただけるような魅力的なアーティストになりたいですね。



トリオ・カルディア プロフィール
国立音楽大学附属小学校からの幼なじみ3人組。「カルディア」とはギリシャ語で「心」を意味している。
国立音楽大学で学び、それぞれがクラシックやロックなど、各分野にて幅広く演奏活動をしながら、トリオ・カルディアでは幼なじみにしかできないアンサンブルを展開。『ムジークフェストなら』をはじめとする各音楽祭への出演や、アウトリーチ事業、幅広いフィールドで演奏活動を行うと共に、ニッポン放送「垣花正のあなたとハッピー」への出演やCMに楽曲提供など各メディアにも出演。クラシックをベースに、ジャンルに囚われない音楽活動を行なっている。「concentration」「Cinema Horic」が発売中。

日野真奈美(フルート)
国立音楽大学附属高等学校を経て同大学を卒業。同大学大学院修士課程修了。成績優秀者に贈られる研究奨学金授与。第14回ヤマハ新人演奏会、第37回フルートデビューリサイタル、レインボウ21サントリーホール デビューコンサート等に出演。第18回フルートコンヴェンションアンサンブルアワード部門入選。国立音楽大学演奏補助員。
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団ジャパンツアーに参加。サントリーホールで行われたコシノジュンコ主催「よみがえれ熊本城」にてソリストとして出演。杉並公会堂にてゲイツオン管弦楽団と尾高尚忠フルート協奏曲を共演。
TV・CMのレコーディング、学校・施設などでのアウトリーチ公演、吹奏楽コンクール審査員などから、トリオカルディア、木管五重奏カラフルのメンバーとしても活動中。広告モデル、司会、毎週各局にて放送中「ダイアモンド?ユカイのゆかいなラジオ」voicy「日野真奈美のクラシックに恋して?」にてラジオパーソナリティ。2021年からは日野真奈美が企画する、音楽と他ジャンルをかけあわせた「クロスオーバーコンサート」の制作をスタート。

星野沙織(ヴァイオリン)
国立音楽大学附属高等学校および、国立音楽大学を首席で卒業、同時に武岡賞受賞。2011年に全日本芸術協会主催のソロリサイタルをウィーンホールにて開催。2014年3月、桐朋学園大学院大学を修了。
現在、フリーで演奏活動をするかたわら、国立音楽大学附属小学校の非常勤講師を務める。2015年、ティートックレコードより「Piazzolla for Two」をリリース。また、2017年には初のオリジナルアルバム「Overdose」を、2020年にはワルキューレレコードより、8弦エレキギターとのユニット「soLi」としての初のアルバム「soLi」をリリース。また、テレビ番組、スマホゲームへの楽曲提供など、近年は作曲にも注力しつつ、さまざまな音楽ジャンルに関わっている。

高橋亜侑美(ピアノ)
国立音楽大学卒業、ならびに鍵盤楽器ソリストコース修了を経て、同大学大学院修士課程を修了。平成21年度同大学国内外研修奨学生。同大学ソロ・室内楽定期演奏会、卒業演奏会、第80回読売新人演奏会、第35回東京同調会新人演奏会に出演。
2014年、ポーランド・シレジア・フィルハーモニー管弦楽団とラヴェルのピアノ協奏曲ト長調を共演。2012年カワイ表参道くにたち・シリーズリサイタル、2013年耕心館連弾リサイタル、2015年ソロリサイタル他、室内楽やコンチェルトのソリストとしても演奏会多数出演。第53回東京国際芸術協会オーディションアンサンブル部門合格、新人演奏会に出演。
現在、私立高等学校、短期大学、専門学校の非常勤講師を勤める傍ら、ソロ・室内楽・伴奏者として演奏活動を行っている。


三木労音8・9月例会(第196回)
トリオ・カルディア コンサート
2023年8月19日(土)14:00開演
三木市文化会館小ホール
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(トリオ・カルディア例会から参加希望の方は8・9月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

2023年7月14日金曜日

7年ぶりに会場が再び熱狂に!情熱溢れるドンアルマスサウンド

照りつける日差しが痛いかと思えば、もくもくと雲が広がりざっと雨が降るこの頃のお天気。近畿圏もそろそろ梅雨明けが近いのではないでしょうか。

さて先週7月9日(日)は雨の予報の中、6・7月例会「DON ALMAS(ドンアルマス)スパニッシュギターライブ」を開催しました。


ドンアルマスのお二人には前日から三木市にお越しいただきました。
お二人が到着される時間がちょうど強雨の予報でしたが、到着された時は雨も降らず、無事、7年ぶりに三木入り。その後我々スタッフも食事をご一緒させていただき、それぞれの近況報告などしばしの間和やかな時間を楽しませていただきました。

そして翌日の例会本番日。
朝は少し雨模様でしたが、お二人が会館に到着される頃はピタッと降り止む雨!
どうやらドンアルマスには雨を止める力があるようです(笑)

運営スタッフで開演前にロビーにて歓迎会

そしてステージ開演。

再び会場を熱狂に巻き込む素晴らしいパフォーマンスでした!
今回のプログラムもカバー曲、オリジナル曲で構成。彼らのオリジナル曲はとてもカッコいいですよ!一方でカバー曲もポップス、歌謡曲から演歌までどんな曲でも彼らが弾くとカッコよく聴こえるドンアルマス流アレンジがすごい!何でも消化吸収する懐の広さも彼らの特徴です。
ドンアルマスは基本リードギターの桜庭さんがメロディーを担当し、サイドギターの谷島さんがリズムバッキングを担当されますが、桜庭さんが身体のアクションや表情などからも情熱が溢れているのに対して、谷島さんはクールに軽々と小気味良くリズムを刻む、そのお二人の個性の対比も魅力です。


またMCの時も、誠実さにじみ出る桜庭さんが主に話をする隣で、谷島さんが常に小声で相槌だけを打っている姿も愛嬌があり好印象でした。


前回2016年にご出演いただいた時は、それまで3人だったドンアルマスが2人になって再出発した直後だったのですが、MCで「前回の三木労音出演後に大きな仕事が実現していったので、三木労音のステージは縁起がいい」と持ち上げていただきました。(三木労音も前回ドンアルマスの後にジュリーの例会が大成功でしたので、縁起の良さはお互いさまですね)
また、コロナ禍でご自身も活動継続に様々なご苦労をされたことから、「文化を守るのは、この場に参加し続けてくださっている皆さんです」と言われたりと、私たちにとって心に残る言葉も多くいただきました。


今回も終演後サイン会に多くの方が並ばれ、いつまでも興奮冷めやらぬという様子。(※私が並ばれる皆さんのCDを包んでいるビニールを取るのに大忙しで写真を撮る間がなく、残念ながら証拠写真はありません 笑)
前回同様今回も、終演後興奮して帰られる方多数、回収したアンケートもほとんどが最高評価でした!
最後にお帰りの際、お二人が会館を退出される頃には空には青空が見えていました。

ドンアルマスの桜庭さん、谷島さん、ありがとうございました!ますますのご活躍を期待しています。
3度目またお越しいただけますように、私達もこれからも活動をがんばっていきましょう!