次回例会は、音楽でハワイの風を感じさせるユニット「コオルア」の登場です。
コオルアは、ハワイアン独特のギター奏法「スラックキーギター」の名手でボーカルのマーティーさんと、ウクレレとボーカルのノリコさんのお二人による、歌と楽器のユニット。
今回のブログでは、コオルアのお二人に、ゲストダンサーのユーキさんを交えてのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)
コオルアは、ハワイアン独特のギター奏法「スラックキーギター」の名手でボーカルのマーティーさんと、ウクレレとボーカルのノリコさんのお二人による、歌と楽器のユニット。
今回のブログでは、コオルアのお二人に、ゲストダンサーのユーキさんを交えてのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)
KO'OLUA(コオルア) 左・MARTYさん、右・NOLIKOさん
YUHKI(ユーキ)さん
―まずはコオルアのお二人それぞれが、音楽を始められたきっかけ、またハワイアン音楽に出会われた経緯を教えて下さい。
マーティーさん 私がギターを始めたのは中学生の頃、周りでギターを弾ける友人が少なかったので、ギターが弾けるとモテる(笑)。そんなことで始めて、最初は本屋で買ってきたクラシックギターの教則本から始めて、その後は、当時流行っていた吉田拓郎さん、泉谷しげるさんなどのフォークソングを、自分でも歌を作りながら遊んでいました。そのうち外国のフォークソングに傾倒してゆき、大学生の頃にはカントリー&ウエスタンのバンドボーイもやらせていただくようになりました。
その後自分のバンドを持って、音楽活動をしていたある時、京都で遅くまで飲み歩いていたところ、開いている店を探して出会った店がハワイアンカフェでした。当時ハワイアンについてはよく知らなかったのですが、飲めるのだったらと入店、そこで流れていた音楽が耳に留まり、お店の人に「これ何という音楽ですか?」と聞いたら、「ハワイアンですよ」と。私がそれまでイメージしていたハワイアン音楽とは全然違っており、「これかっこええやん!」と衝撃を受け、そこからそのお店に通うようになったのがハワイアンとの出会いでした。
ノリコさん 私はフラの方から入りました。私がOLをしていた頃、時代はバブル期で、ハワイには買い物で何度も行きました。ある時一緒に行った友達に、せっかくハワイに来たのだからハワイらしいことをして帰ろう、と誘われて受けたフラのレッスンがきっかけで、そこから沼にはまりました(笑)。旅行から帰ってきたらすぐにフラの教室を探して通うようになりました。
また、フラのレッスンを受けた旅行でウクレレも買って帰りました。部屋の飾りになるかもしれないと安いものだったのですが、その後たまたますぐに日本在住のハワイ人の方と知り合い、その方がウクレレを弾いて歌う方で、ウクレレ持っているのだったら一緒に遊ぼう、と誘われたことを契機に、ハワイアン音楽にのめり込んでいきました。
―お二人が出会われて、コオルアを結成されたきっかけは?
マーティーさん 先ほどのハワイアンカフェに通うようになり、お店のオーナーさんとも親しくなって、ある時「ハワイアン音楽もやってみない?」と言われました。その時はまだカントリーのバンドをやっていましたが、ハワイアン音楽はまだよく知らない、でも曲のコード進行などカントリーと似ている部分もあったので、安請け合いしました。すると「実はこのお店のお客に女子大生ぐらいの別嬪のフラダンサーがいる」と話を振られたので思わず「紹介して」と(笑)。ひっかかったんですね(笑)。それで彼女(ノリコさん)に出会いました。
彼女に、今度出演するカントリーのライブでハワイアンコーナーをやるので、そこでフラを踊ってくれないかと声をかけたのですが、その時に、フラダンスはどんな曲でも勝手に踊れるものではなく、歌詞に合わせた振り付けがあり、こちらで選んだ曲がレパートリーになかったら踊れないことを初めて知りました。まずは相談して数曲を決め、カセットテープに入れてもらって帰りましたが、歌詞がハワイ語で全然わからない!歌詞を覚えるのに非常に苦戦しました。その時、ハワイアンをやるのだったらハワイ語もやらないといけないと思い、そこからハワイ語も勉強するようになりました。
その後カントリーのバンドも解散し、私自身はハワイアンに傾倒してゆき、そのうち一人でギターを弾いて歌うハワイアンミュージシャンとして活動を始めました。そしてCDを録音する段になって、少しウクレレの音を入れたいと思った時、確か彼女はウクレレが弾けたなと思い出し、声をかけました。
ノリコさん 私がハワイアンカフェでウクレレで遊んでいたのを彼が聴いてたので、初めてソロのハワイアンのアルバムを出すことになった時、私にウクレレで2曲だけ参加してほしいと頼まれました。その時私はまだステージでも弾いたことがないド素人ですよ(笑)。いいのかな?と思いつつ参加し、その後の「レコ発ライブ」にもついて行きました。2曲横でウクレレを弾くだけでしたが(笑)。
マーティーさん いや、フラも踊ってもらいました。そのうち歌もやろうか、ということに。最初は上手いんだけどカラオケの歌い方だったので、声域の広げ方、地声の響かせ方を少し練習して、すぐにデビュー(笑)。
そうして最初は、スラッキーマーティー・ウィズ・ノリコという形で2枚のCDを作るまで活動していましたが、3枚目を出す頃には二人でコーラスもやっていましたので、そろそろグループ名にしようと「コオルア」という名前をつけました。どういう名前にするか相談する中で、バンド名の頭の音が母音だと弱いので、子音で、K、P、Tなどの音の方がいいのじゃないかということで、ハワイ語辞書を片手に探しました。
コオルアというのは彼女が見つけたのですが、実はハワイ語の中でもたいそう古く、語源であるポリネシア祖語まで遡ったところにある言葉です。その意味は、二人で協力して何かをするというパートナー的なものです。また、「コオ」と「ルア」には、それぞれ「緩める」と「2」という意味もあります。二つ合わせて「ゆる~い二人」(笑)。まあそんな言葉遊びみたいなことで決めました。
ノリコさん 初めてのCDが2005年なので、そこから数えるともう19年になります。
―今回ご一緒に出演いただくダンサーのユーキさんとは?
マーティーさん 神戸市西区にあるハワイアンカフェ・ミューズキッチンのママさんの紹介で2017年に初めて出会いました。
ユーキさん 私はその頃ミューズキッチンでフラのレッスンや時にスタッフとして関わっていて、マミーの紹介でライブを聴かせていただきました。そしてその年、ミューズキッチン主催の大蔵海岸で行われるイベントのゲストにお二人が出られることとなり、私もその頃プロでやっていきたいことをマミーに相談していたので、初めて同じステージに出演させていただました。それが最初の出会いです。
―ユーキさんがフラを始めたきっかけは?
ユーキさん 私は元々小学校の教員をしていたのですが、帰るのがいつもすごく遅くて、休みがない生活が続いていました。そんな生活を続けるうちに、「帰れる日」を作りたくて、何か習い事をしようと考え、いろいろ考えた末にタヒチアンダンスの体験会に行ってみました。そこでフラもやっていたので、ついでに体験したのがきっかけでレッスンを受けるようになりました。そこからはまって、そのうち教員も辞めてハワイに留学しました。
ハワイから帰ってきて、学んだことを何かの形にしたいと、再度働きながら模索していたところ、先のミューズキッチンでの出会いがあり、プロとしてやっていく足がかりをつかみました。
ハワイから帰ってきて、学んだことを何かの形にしたいと、再度働きながら模索していたところ、先のミューズキッチンでの出会いがあり、プロとしてやっていく足がかりをつかみました。
マーティーさん 最近はコオルアとユーキとの3人で、音楽とフラのショーを、ライブハウスやイベント、企業さんのパーティーなどでやったりしています。
―あらためてハワイ音楽について教えて下さい。
マーティーさん 世界中でいろんな民族がそれぞれの音楽を持っていたように、ハワイにもハワイの音楽が昔からありました。古い時代のハワイの音楽は、例えば楽器にスポットを当てますと、太鼓などの打楽器、それから笛、弦楽器といえば板状のものに1本弦を張っただけの、口琴のスタイルのような、すごくシンプルな楽器を使っていました。
そこへ西洋人がやってくると同時に西洋の音楽が入ってきて、ハワイ音楽と西洋音楽の融合が進みます。一つはキリスト教の宣教師が伝えた讃美歌によって、西洋の音階とコーラスが、もう一つは畜産の技術を教えにやってきたメキシコのカウボーイたちによってギターが、それぞれハワイに入ってきました。初めてギターを手にしたハワイの人達は、彼ら自身のやり方で弾きはじめた、というのがハワイの近代音楽の始まりと言われています。そのハワイの人達が自由な発想で弾き始めた奏法が、現在のハワイアン音楽で使われているスラックキーギター、私が今弾いている奏法になります。
ウクレレが入ってきたのはそれよりも後で、ポルトガル系の人によって伝わりました。アフリカのマデイラ諸島、そこは当時ポルトガル領だったのですが、そこからの移民がハワイに渡ってきました。その時に持ち込まれたマデイラ諸島で使われていた小型の楽器がウクレレの原型になったと言われています。それがコンパクトで便利で、ハワイの王族たちが気に入って弾き出し、徐々に庶民に広がったそうです。
その後、アメリカ音楽がどっとハワイに入ってきて、ジャズの影響を受けたハワイアンソングもたくさん作られました。今では英語の歌詞のハワイアンソングもたくさんあります。
現在では様々なスタイルのハワイアン音楽がありますが、その根底にはハワイ独特のリズム感というものがあり、いくら近代的なギターを使ったとしてもそれは残っている、その根源的なリズムが音楽の遺伝子に残っているのでしょう。
ただ、今ではハワイでもハワイ語を喋れる人は減っています。昔は親のハワイ語を聞いて育ったという人がいましたが、今ではあまりいなくなりました。一部では幼少の頃からハワイ語で教育するという方法も行われているのですが、大多数は英語ですね。
コオルアが演奏する音楽は、ハワイ語の歌詞が中心で、その他にも古い英語の歌詞の曲、あとは日本語の曲も歌います。
―ステージではどのようなことを大切にされていますか?
マーティーさん 基本は、歌う時はお互いの歌をよく聞き合う、相手が弾いている音はしっかり聞くということを常に気をつけています。あとは僕がしゃべりすぎないよう注意するぐらい(笑)。ハワイアンソングを好きな方でも、言葉が分からないけどメロディーやハワイ語の響きがとても心地良いので聴くという方が多いと思います。ただ私達としては、これはどんな歌で、この歌を作った人はどんな思いで作ったのかということを伝えたい。だからついしゃべってしまいます(笑)。
ノリコさん それを喜んでくださるお客さんは多いのですが、長くなってくるとお客さんの様子を見て、そろそろやめさせないと(笑)。そんな調整をしています(笑)。
ユーキさん 私がやっているフラは、手の動きや表情で歌詞の内容を伝えるのが役割なので、歌詞をちゃんと理解する、あと、それにあった景色を、頭の中ではなく、そこにあるかのように踊る事です。コオルアさんと一緒にやる時は、踊っている時にもお互い見合いながら目で会話しています。
マーティーさん 先ほどお互いの歌や楽器の音を聞きながらと言いましたけれど、ユーキさんが入って3人での時は、僕らもユーキさんの踊りを見ていて、彼女は踊りで歌の風景や感情を表現していて、私達はそれを言葉とメロディーで表現している、だから3人が一体となることを心掛けています。
―最後に6/16の三木労音例会のステージにむけて一言お願いします。
ユーキさん コオルアさんの音楽は、ライブの時に「寝ていてもいいですよ」と言われているように自由に聴けます。リラックスして楽しんでもらって、梅雨時期でしんどくなりやすいと思いますので、心だけでも軽くして帰ってもらえたらと思います。
ノリコさん 私はユーキさんのフラが、ハワイに行ったことがない、ハワイを知らないという人にお勧めです。本当にハワイのホテルなどで観れるようなフラのショーをそのまま持ってきてくれます。
マーティーさん 皆さんの中にはハワイに旅行されたことがある人もあれば、ハワイを知らない人もおられるでしょう。でもハワイを知らない人でも「ハワイっていいな」とか、「ハワイ行きたいな」、あるいは「行ったことないのにハワイが恋しくなってきた」と思うようなステージをお届けできればいいなと思います。ハワイの空気感を伝えたいです。
今回は地元のフラグループ「Hula Hale(フラハレ)」さんとの共演もありますが、Hula Haleの皆さんにも楽しく踊っていただきたいです。それも楽しみにしています。
KOʻOLUA プロフィール
ハワイのルーツ音楽のひとつのスラックキー・ギター(変則チューニング奏法)とウクレレ、そしてデュエットハーモニーをフィーチャーした二人組ユニット。日本とハワイで演奏活動中。
その素朴な演奏スタイルから紡ぎ出されるローカル・ハワイアン・テイストで心地よい癒し系サウンドは、ハワイを知らない人でさえハワイが恋しくなる、と言われる。
また、二人の洗練されたハワイ語ハーモニーとギター奏法の美しさは、ハワイ現地でも高い評価を得ており、ハワイの音楽フェスティバルに招待出演、ハワイの音楽大賞にファイナリストとしてノミネートの他、豊富なハワイでのライブ演奏経験を持つ。
websites https://linktr.ee/koolua
YUHKI プロフィール
2013年、フラダンスを始める。2014年、ハワイに留学。2015年、ハワイの名門ハレクラニホテルのトップダンサーである、カノエ・ミラーに師事。
2018年、プロフラダンサーとしての活動をスタート。2019年7月末にオープンしたハレクラニ沖縄のフラ ソリストとして、グランドオープンより月に2回ステージに立つ。
2019年~ハワイアンイベントや企業パーティーなどへのゲスト出演も多数。ポリネシアンショーのプロデュースも手がける。
長身を活かし、モデル活動を並行して行っている。コンテスト受賞歴も多数。
websites https://yuhki-hula.com/
共演 Hula Hale プロフィール
2008年から三木労音サークルフェスティバルに参加。2年ごとに三木山森林公園で合同ホイケを開催するほか、施設でのボランティア活動も。踊れば踊るほどフラの虜になってしまったメンバー、現在は月2回のレッスンで勉強中。
三木労音6・7月例会(第201回)
KOʻOLUA (コオルア)ハワイアンコンサート
2024年6月16日(日)14:00開演
三木市文化会館小ホール
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(コオルア例会から参加希望の方は6・7月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。
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