2023年4月3日月曜日

【次回例会紹介】アカペラのバトンをつないで25年、歌声で人々の心に灯をともす女王達 ― Queen's Tears Honey(アカペラ)

次回例会は、グループ結成25周年を迎えられた女性6人によるアカペラグループQueen`s Tears Honey(クイーンズ・ティアーズ・ハニー/愛称キューティーハニー)の登場です。
今回のブログでは、キューティーハニーのリーダー・HARUさんのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)

リーダー/中出晴香(HARU)/写真中央
3歳から詩吟を始め、学生時代は吹奏楽に明け暮れ、様々なジャンルの音楽に出会う。
現在はVocal,Chorus,MC,編曲,美容に対する執着(笑)等…マルチな才能を武器にQueen's Tears Honeyを引っ張っている。好物はワインと卵料理。
兵庫県三木市出身。



―まずはグループの歩みを教えて下さい。

HARUさん キューティーハニーは、女性だけでアカペラをやってみたい!というメンバーが集まり結成されたアカペラグループです。初めてステージに立ったのが1998年5月の大阪のイベント出演で、そこから数えて今年は25周年となりました。
私は途中からの参加なのですが、25年の中でメンバーの入れ替わりがかなりあり、その時々のメンバーによってグループのカラー、レパートリーは変わってきました。私を含めた現在の主なメンバーは7期メンバーになるのですが、私が加入した時はそれまで6人いたメンバーのうち5人が卒業、残った一人と新しく入った私達で再スタートしました。それまでは元気で明るく、ダンスなど動きのあるステージが特徴のグループでしたが、私達が入ってからは、衣装もロングドレスに替え、レパートリーにも昭和歌謡などを入れて、落ち着いた雰囲気になっていきました。

―HARUさんがキューティーハニーに加入された時のことを詳しく教えて下さい。

HARUさん 私がグループに入ったのは2012年です。それまでアカペラを仕事にしようとはっきり思っていたわけではなかったのですが、元メンバーの中で唯一残った方から当時所属事務所の研修グループで勉強中だった私に「一緒に歌って」と頼まれ、そこで初めてプロになる決意をしました。そこからは二人でメンバー探し。それまで一緒に研修グループで歌っていた人や、大学のアカペラサークルなどからスカウトして、一緒にやっていくメンバーを見つけました。
そしてスタートすると同時に新CDを制作、「新生キューティーハニー」として以前のメンバーが築いていた公演先全部にご挨拶するため全国を回りました。最初は勢いもあり各地に呼んでいただけましたが、半年ぐらいが過ぎると、これからはしっかり地に足をつけて自分達らしさも出していかないと活動が続かないと思い始めました。またちょうどその頃に、同じ事務所のアカペラグループ宝船が活動休止となり、宝船が受けてきた仕事も受けることができるようにと昭和歌謡を歌い始め、さらにその中からキューティーハニーらしさが出てくるようにと、これまで努力してきました。

―2012年に三木市文化会館で行われた活動休止前の宝船コンサートの前座で、新生キューティーハニーで出演されましたね。

HARUさん 私は入って直ぐでした。とんでもない時期でしたね(笑)。全然歌えてもしゃべれてもなかったと思います。

―HARUさんの音楽活動の原点、アカペラとの出会いを教えて下さい。

HARUさん 私は3歳から小学校高学年まで詩吟をやっていました。三木市に住んでいた子供の頃、近所に詩吟の先生がいらっしゃって、文字も読めない頃から先生が歌われるのを耳から覚えていったことは、その後のアカペラに活きているのかもしれませんね。
後は父母とも音楽が好きで、家に楽器があったことも影響して、中学校からは吹奏楽に打ち込みました。私は子どもの頃勉強など苦手なことが多く、唯一音楽は褒められていました。その頃母から「勉強ができないならやらなくていい、音楽だけでもしっかりやってくれたらいい」と激励され、高校は神戸の高校に吹奏楽の特待生で入学しました。その頃は歌よりも楽器のほうに傾倒していましたが、楽器でプロを目指すのもまだ迷っていた二十歳頃に、アカペラに出会いました。
当時は音楽をするためにまずは貯金をしようと仕事に明け暮れていた時期で、なかなか楽器を手にする時間もないくらい忙しい毎日でした。そんなある夜、三木山森林公園の駐車場に車を停めて楽器の練習をしていると、向こうの自動販売機の前で車座になってアカペラの練習している男性5、6人のグループが目に入りました。興味を持って声をかけてみたら、最後には楽器と歌とでセッションをするほど意気投合し、仲間になりました。でも少し経つとアカペラのメンバーが就職で一人減り二人減り・・・継続するかどうかという話になった時、私もコーラスだったら出来るかな、と加わらせてもらったのがアカペラへの第一歩でした。
その後グループ名を「音玉(おんたま)」として何年か活動する中で、歌うことには自信がなかった私も「歌うこともいいかもしれない」と少しずつ思えるようになってきました。三木市のジャズカフェベイシーをはじめ、出番も結構ありましたが、ある時ベイシーで宝船のライブが企画された時に、今は亡きベイシーのマスターから「君らも歌ったら」と声をかけていただき、私達が迷っているうちに勝手に話が進んで(笑)宝船の前座で3曲ほど歌わせていただきました。そういうことが何度かある中で現事務所の社長やメンバーの方とお話する機会があり、社長からもプロにならないかと声をかけていただきました。その時はまだ趣味でやっているという気持ちでしたが、結果的にその後研修グループに参加し、今の活動に繋がりました。
アマチュア時代のグループでは、三木労音の小巻事務局長のギターとコラボしたことも(2007年)

―これまでのキューティーハニーの活動の中で印象に残っていることを教えて下さい。

HARUさん 私がすごく成長できたと思った公演があります。それは2017年に兵庫県北部の出石町にある、日本で一番古い芝居小屋「永楽館」での公演です。以前神戸で行われた介護関係者の会で知り合った朝来市の介護施設の施設長さんに、そちらの地域でも公演ができないかと相談した時にこの永楽館のことを教えていただき、ここで公演をしたいと伝えるとさらにいろんな方々を紹介していただきました。紹介いただいた方々に電話をしていくと、見ず知らずの私にも関わらず、皆さん本当に親身になって相談に乗って下さり、まずは近くにあるお寺でチャリティーコンサートを行い、そこで一度聴いてもらってから永楽館の公演へ繋げていけばいいのではと助言をいただきました。チャリティーコンサートでは嬉しいことにその場で多くの方が永楽館コンサートのチケットを買ってくださいました。他にも私たちも神戸からバスを仕立ててお客さんを連れてきますと言うと、地元の方がボランティアで観光ガイドを買って出て下さるなど、様々な協力をいただき、おかげで満員御礼の中で成功させることができました。公演を通じて地域の人達とのつながりがこんなにしっかり出来たと思えたのはこれが初めての経験でした。協力いただいた方からも「誘った人達からお礼を言ってもらえた」「町興しになった」「活気が出た」と町の人達も喜んで下さり、地域の人が出来ること、私達が出来ることがうまくマッチして作れたということが自信になって、後の他の地方の公演にもその経験を活かすことができました。
満席の中で行われた永楽館での公演

―キューティーハニーで演奏する曲のほとんどはHARUさんがアレンジされているそうですね?

HARUさん アレンジについてはこれまでちゃんとした勉強はしたことがないのですが、耳で聴いた音を楽譜に起こして、全部のパートを自分で歌いながら楽譜に書いていくことを繰り返してきました。既存の楽譜ではメンバーの声に合わない場合も多く、基本はメンバーそれぞれの声や音域に合うようにオーダーメイドで作っています。一番高いソプラノばかりが前に出るのではなく、曲によってメンバーそれぞれの声の雰囲気を前に出すようにすることで音楽の幅が広がります。
今のメンバーは似たような声の人がいないので一つにまとまるのは大変ですが、その分幅が広いので、聴いていても歌っていても面白いと感じます。

―今年25周年の活動、また今後の活動を教えて下さい。

HARUさん この間コロナで活動があまり出来ていなかったのですが、そんな中でも少しずつキューティーハニーにお声かけをいただいたところに出演させていただいたり、レコーディング中にコロナ禍になり、ツアーに回れないのでストップしていたCD制作をクラウドファンディングで多くの方に支援していただき、各地の皆様にもお届けすることができたりと、活動してきました。
今年はコロナ規制も少し緩和されましたし、25周年というのも併せて、各地をツアーで回り、このたび新しく作ったCDを直接手渡したいと思っています。すでにレコーディングも終わり、4月23日から発売開始します。またコロナ以前は年間200回の公演を行ってきましたが、今後はメンバーみんなが年を重ねても無理なく出来るような形に変えていこうと思っています。
今後もなるべく多くのステージに立ちたいのですが、まずはコロナで中止になったままの公演、チケットを販売した後中止になった公演のチケットを今も大事に持っていて下さっている方もいらっしゃるので、そういうところへ足を運んでいきたいです。

―最後に5月のコンサートに向けてメッセージをお願いします!

HARUさん 三木市文化会館は、自分が一番好きな音楽を志すきっかけとなった思い出深い場所です。コンサートのお話をいただいた時とても嬉しい気持ちになりました。
Queen's Tears Honeyのレパートリーは親しみやすい曲が多く、堅苦しい雰囲気ではありませんので気負わずご来場くださいね。皆様にお会いできるのがとても楽しみです!
2023.3.9 HARUさんに三木労音事務所までお越しいただき、取材させていただきました。



Queen's Tears Honey(愛称 キューティーハニー)
1998年結成 アカペラグループ発祥の地と言われている神戸を拠点に、
全国各地で活動。(現在は7期・8期・9期メンバー)
1960〜80年代の昭和歌謡やスタンダードナンバーを中心とした親しみやすい曲をお届けしています。
女性グループならではの華やかな雰囲気のステージをお楽しみください♪
2018年 NHK 生放送 Jazz Live KOBE出演。
2022年 京セラドームにてプロ野球公式戦国歌斉唱をつとめる。
※5/7の出演メンバーは上記写真の6名となります。

三木労音4・5月例会(第194回)
Queen's Tears Honey アカペラコンサート in 三木
~25周年記念アルバムJukeBoxⅡリリース~
2023年5月7日(日)14:00開演
三木市文化会館小ホール
参加費 会員/会費のみ 一般/4,000円
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(キューティーハニー例会から参加希望の方は4・5月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

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