次回例会は、ヴァイオリニストの西浦詩織さんとギタリストの稗田隼人さんのお二人によるデュオ「風の旅」をお迎えします。
今回のほわいえでは、お二人へのインタビューをご覧下さい。(資料提供 東京労音)
―それぞれのご出身地と音楽に取り組まれるようになったきっかけを教えて下さい。
西浦詩織さん(以下西浦さん) 私は香川県の出身です。音楽をやっている両親の影響で、3歳で初めてヴァイオリンの発表会に出演しました。
稗田隼人さん(以下稗田さん) 私は茨城県つくば市出身で、幼稚園生のころにピアノを始めました。そして9歳の頃にクラシックギターを始めて、今に至ります。西浦さんは音楽高校に進学されたのですか?
西浦さん はい、高校は香川県高松市の音楽科に通い、卒業後に東京音楽大学に進学しました。稗田さんも音楽高校出身でしたね。
稗田さん 東京音大付属高校のクラシックギター科に通い、卒業後スペインはマドリードに留学しました。西浦さんが音楽を始めた、或いはクラシック音楽を好きになったきっかけは何でしたか?
西浦さん 留学たのしそうですね!その土地の空気を感じるだけで、音楽ってなぜか変わって来ますよね。「好きになったきっかけ」かはわかりませんが、両親ともに音楽をやっているのでいつも側に音楽がありました。稗田さんは?
稗田さん 私がクラシック音楽を好きになったきっかけは、家にあったシューベルトのピアノ五重奏曲「鱒」のCDを聞いたことでした。第一楽章の旋律に「こんなにも美しい音楽があるのか」と感動したのを覚えています。当時中学生だったかな。
―デュオを組まれたきっかけとコンセプトは?
稗田さん 出会ったのはいつでしたっけ?
西浦さん たしか2017年の4月に、様々なアーティストが出演するライブで別のグループとして参加していましたね。楽屋でたまたま話した時に、東京音楽大学関係なんですね、という話で盛り上がりました。
稗田さん そうですね。とはいえ、私は付属高校に通っていただけなので、大学は被ってないですよね。
西浦さん 確かに。大学では遭遇していませんね。稗田さんの作曲スタイルはアンサンブルの曲が多いですよね。
稗田さん そうなんです。元々モーツァルトやシューベルト、コレッリなどの室内楽が好きでして、ギターのソロよりもヴァイオリンやフルートなど他の楽器とのアンサンブルの引き出しの方が多いんです。以前からヴァイオリンとギターでDuoを組みたいと思っていました。
西浦さん じゃあタイミングが良かったですね!
―「Withコロナ」の時代に、演奏家として何か思われることはありますか?
西浦さん 時代にどう対応していくかという能力が試されている時期だと思います。
稗田さん 私はWithコロナということをそこまで意識しておらず、良い音楽を作るという気持ちに変わりはありません。
西浦さん 音楽家として一番大切な部分は変わらない、ということを再認識した一年でしたね。
稗田さん そうですね。とはいえ、コンサートがなかなか開催されない中で、演奏する予定の無い曲を作るということにモチベーションも上がらないんですよね。
西浦さん なるほど。作曲家ならではの悩みですね。やはりお客さんがいてこそ成り立つのが演奏家なので、披露する機会があることを有難く思います。
稗田さん はい。8万人にも万人にも及ぶ失業者、我々も含め苦境に立たされている文化芸術に関わる人、新型コロナでお亡くなりになった方、奮闘されている医療従事者やエッセンシャルワーカーの方々など、コロナ関連の辛いことや我々個人レベルではどうにもできないこともありますが、音楽の力で少しでも多くの人を元気付けられたらと思っています。
―全国ツアーへの意気込みをお願いします。
西浦さん 風の旅としては初めての全国ツアーなので、ドキドキもしますね。
稗田さん そうですね。今回は風の旅のCDに収録されているオリジナル曲も演奏しますし、日本の歌を独自の編曲に仕上げたものもプログラムに取り入れる予定です。これまでの風の旅の活動で培われたアンサンブルや作編曲のノウハウも生かして、さらなるグレードアップを遂げた私たちをお披露目できたら嬉しいなと思います。
西浦さん 沢山の方に演奏を聞いていただけることが楽しみですね。
~「風の旅」全国ツアー企画者の東京労音より~
今回のツアーでは、ギター文化館所蔵:マヌエル・カーノコレクションより【サントス・エルナンデス1930】を持込み、稗田氏による演奏を予定しています。貴重な機会になると思います。
【サントス・エルナンデス1930】ギターに求められる音はすべてサントスの中にある、とも言われる。
まさに「スペインのギター」の原点であり、同時に 頂点を極めたギターといってよい。サントスの音色の特徴は、太く独特の重厚さがある低音と、甘さを抑えた芯のある高音。
製作者は、サントス・エルナンデス(1873-1942)。1930製作のギター。工房所在地:Madrid、Spain(マドリード、スペイン)弦長:655mm、表面板:スプルース、背・側板:ローズウッド(インド)
風の旅 プロフィール
2018年結成。ヴァイオリンとギターのデュオ、という一見コンパクトな編成でありながらもダイナミックなものから叙情的な作品まで幅広い演奏を得意とする。ジャンルはラテン、ワルツ、ボサノヴァからクラシックまで様々、コレッリのヴァイオリン・ソナタ等もギターが通奏低音を担当することで編曲無しに再現するなど、常に新たな可能性を追求し続けている。ユニットの名称「風の旅」は、稗田作曲のワルツ第4番「風の旅」から。アルファベット表記は"Venta Vojaĝo"(エスペラント語で同義、ヴェンタ・ヴォヤージョと読む)。
2018年4月に1stアルバム「ワルツ集Vol.1」、2019年4月に2ndアルバム「ワルツ集Vol.2」を発売。
ヴァイオリン奏者 西浦 詩織(にしうら しおり) プロフィール
香川県出身。東京音楽大学卒業。香川県ジュニア音楽コンクール、全四国音楽コンクールで弦楽器部門2年連続一位。ブルクハルト国際音楽コンクール室内楽部門入賞(最高位)。蓼科音楽コンクールin東京室内楽部門第二位(一位なし)。宗次ホール弦楽四重奏コンクール第一位に併せて、ハイドン賞、聴衆賞を受賞。バッハ、シベリウスやメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をオーケストラと共演。Quatuor Lumi?re 1st violin。
ギター奏者 稗田 隼人(ひえだ はやと) プロフィール
1992年茨城県出身。ギターを荘村清志等に師事。2010年、第32回ジュニアギターコンクール高校生の部で金賞、第35回ギター音楽大賞・大賞部門にて優秀賞(第3位)を受賞。東京音楽大学付属高等学校クラシックギター科卒業後スペイン・マドリードへ約2年間留学、国立トゥリーナ音楽院にてコントラバスをラファエル・デ・フリアスに師事。作編曲家としても活動。アルパ奏者 上松美香、声優・歌手 水樹奈々の楽曲「アパッショナート」ギター演奏&映像収録に参加。
ゲスト出演 フルート奏者 日野 真奈美(ひの まなみ) プロフィール
フルーティスト。国立音楽大学附属高等学校を経て、国立音楽大学・同大学大学院修士課程修了。第8回ウラジオストク国際音楽コンクール第1位。第18回フルートコンヴェンションアンサンブルアワード部門入選。コシノジュンコ主催「よみがえれ熊本城」にてソリストとして出演。2019年、杉並公会堂にてゲイツオン管弦楽団と尾高尚忠フルート協奏曲を共演。トリオカルディア、木管五重奏カラフルメンバー。TV・CMのレコーディング、吹奏楽コンクール審査員、広告モデル、「ダイアモンド☆ユカイのゆかいなラジオ」パーソナリティなどジャンルを問わず活動の幅を広げている。
三木労音第182回例会
ヴァイオリン&ギターデュオ Venta Vojaĝo(ヴェンタ・ヴォヤージョ)風の旅
2021年4月14日(水)19:00開演
三木市文化会館小ホール
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(風の旅例会から参加希望の方は4・5月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
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