2016年1月19日火曜日

【次回例会紹介】“音の原石”を組み合わせて奏でる、心と身体に刻まれたサウンド―天鼓(てんくう)

次回例会は、世界各国の様々な民族楽器を使って独特なオリジナル音楽を奏でられる、暁天さん、花岡英一さんのお二人のユニット・天鼓(てんくう)の登場です。
今回は、天鼓のお二人にインタビューを行いました。どうぞお楽しみ下さい。
(聞き手・三木労音事務局長 小巻健)

天鼓-TENKUU- 花岡英一さん(左) 暁天さん(右)



―まずは、お二人がどのような音楽人生を歩んでこられたか、またどのような経緯で天鼓の結成に至ったかを教えて下さい。

天鼓・暁天さん(以下、暁天さん) 高校の頃はバンド活動でギターを中心に、仲間達と演奏していました。それからは37歳位まで、音楽とは離れていました。民族楽器との出会いは、旅好きが切っ掛けとなります。アフリカやインドやネパールなどで、多くの楽器と出会い感化され、屋久島でカリンバや尺八や横笛などを制作している人に出会い、それをきっかけにイラストレーターの世界から一気に楽器製作そして民族楽器、創作楽器演奏へと走り出しました。

天鼓・花岡英一さん(以下、花岡さん) 高校一年から6年間ドラムを海老沢一博氏に師事。その後、中西俊博氏(ヴァイオリニスト・作・編曲家)、菅野よう子氏(作・編曲家、ピアニスト)のアシスタントを経験する中で、毎日のように一流ミュージシャンのレコーディングやライブ三昧という環境で、研鑽を積みました。
 やがて、ドラマーとして、おおたか静流、NHK「おかあさんといっしょ」のうたのおねえさん、キリンジほか様々なアーティストとの演奏をさせていただくようになりました。
一方、中央アフリカ旧ザイール音楽のグループに、日本でドラマーとして4年間参加し、アフリカンダンスミュージックのグルーヴ感と、アフリカ人パーカッションの音とノリを吸収していく経験を積みました。自然の木と皮で出来た太鼓の音の心地よさに惹かれ、西アフリカの太鼓、ジャンベ(ジェンベ)を習得。正しい奏法は、ジャンベマスター、ママディ・ケイタ氏が2年続けて来日した際に、2度ともワークショップを間近で見学させていただき習得しました。2000年より東京都内にてジャンベ教室「アフリカンたいこ教室」を主宰しております。
 他にも2012年10月より上映の白鳥哲映画監督作品「祈り」のエンディングテーマ、また白鳥哲映画主題曲集CD「mandala」へ編曲・演奏での参加や、2015年よりオンエア中のキリン淡麗グリーンTVCMに、出演・演奏させていただくなど、現在ドラマー&パーカショニストとして、様々なアーティストとのライヴやレコーディングにて活動させていただいております。
 民族楽器演奏デュオ「天鼓Tenkuu」の結成は、花岡英一が都内での音楽セッションで暁天と出会い、彼の自作のカリンバの音色に惹かれ、一緒に組んだら心地よい民族楽器演奏デュオができると確信し、声をかけさせてもらったのがきっかけです。意気投合し2000年から活動を続けています。

―お二人にとって民族楽器の魅力とは?

天鼓 美しい響きと倍音の豊かさ、また作られすぎていない心地よい音色ですね。

―天鼓の奏でる音楽には、どこか懐かしく、それでいて神秘的な雰囲気がありますが、楽曲を創作する際にどんなことに留意されていますか?

暁天さん 僕の場合、今まで経験して来た事や感じて来た事を音で表現する様な感じです。例えば、アフリカをテーマにした曲作りの場合、以前に行ったケニアのサバンナを思い出し、皮膚感覚、嗅覚、視覚が蘇ってくる中、臨みます。

花岡さん 風景・映像を感じながら作曲し、二人でその曲の情景描写を言葉を交わしながら、共有した一つの絵をお互いの心の中で描いていき演奏します。

―お二人の音楽に対するお考え、演奏の際に心がけておられることなどをお聞かせ下さい。

暁天さん 音楽を楽しむ事、少しでもレベルアップするよう練習する事、演奏の際は、楽しく心を落ち着かせるよう心がけています。上がり性分なので・・・。

花岡さん 生演奏の音楽、ライヴ・コンサートに足を運び、そこで音の波に浸る心地よさは、私にとってこの上ない感動と喜びがあります。自分自身がステージで演奏しているときは、その心地よさを自分で出している喜び、ミュージシャンどうしの一瞬一瞬の音のやり取り、全ての音が調和して進んでいく心地よさ、グルーヴを打ち出しステージがうねっている心地よさがたまりません。この自分自身の感じていることが、そのままお客様に伝わるよう、日々準備と練習を重ね、ステージに臨んでいます。

―最後に三木労音会員へメッセージをお願いします。

天鼓 最後までお読みくださりありがとうございます。
 耳の肥えた三木労音会員のみなさまに喜んでいただけるよう、天鼓オリジナルの楽曲に加え、みなさま良くご存じの曲も準備しております。ぜひ様々な民族楽器の音色の響きを活かした天鼓Tenkuuの公演に足をお運びください。
 みなさまにお会いできることを、暁天、花岡英一共々楽しみにしています。
 ありがとうございます。



天鼓-TENKUU- プロフィール

2000年、林の中でのライトアップコンサートより、暁天と花岡英一 "Drums & Percussion 花" による民族楽器演奏デュオ 天鼓 Tenkuu が誕生。世界各地の民族楽器から、ここちよい音を紡ぎ出す。自然を心で感じ、その情景を音の抽象画として描き出す楽曲は、世代を問わずゆったりとしたときをすごさせてくれる。音響機器を使わず、生の楽器の響きを感じることのできる土蔵でのアンプラグドライヴは、毎年末に行なわれ10周年を超えた。ほか、企業イベントや、学校・幼稚園公演、ファッションショーや現代舞踏の音楽など、様々な場で活動を続けている。
2006年11月5日 満月(祝月 十五日) 自主レーベルよりCD『MOON』リリース
2014年7月30日 メジャーレーベルT-TOC RECORDS よりCD『天鼓』リリース

暁天/gyouten
イラストレーター、オブジェ作家として活躍する中、インド、アフリカ、屋久島と旅を重ねる。各地で出会った民族楽器に魅了され、より高品質なものを自身で製作するようになる。漆工芸による芸術性と、プロ仕様の音質を追求した作品。それらを「天鼓」やソロ活動で演奏する一方、カリンバ教室や民族楽器製作教室なども行なっている。

花岡英一/hanaoka eiichi
東京都内にてジャンベ教室(ジェンベ教室)「アフリカンたいこ教室」主宰。中央アフリカ旧ザイール音楽のグループに日本で4年間参加。著書にジャンベ教則本『西アフリカの太鼓を楽しむ ジャンベの叩き方』。ドラマー、パーカッショニストとして、様々なアーティストとのライヴやレコーディングにて活動している。
2012年10月よりロングラン上映の渋谷アップリンクで公開の映画「いのり」のエンディングテーマに編曲・演奏で参加。同映画監督、白鳥哲氏の映画主題曲集CD「mandala」に、アレンジ、演奏で参加。
ボーカルや楽曲の良さを引き立てるパーカッション演奏、ここち良いグルーヴ感を叩きだすドラミングに定評がある。


三木労音 第151回例会
~ここち良い民族楽器サウンド~ 天鼓-TENKUU- コンサート
2月8日(月)<昼の部>13:30開演 <夜の部>18:30開演
兵庫県立三木山森林公園音楽ホール
 ※いつもと会場が変わりますのでご注意下さい!
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(天鼓例会から参加希望の方は1・2月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

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