2019年4月22日月曜日

【次回例会紹介】ヨーデル食べ放題、そして焼肉王子・・・ 歌で物語をつづる、ユーモアあふれる親子鷹!―リピート山中(シンガーソングライター)&MAGUMA(架空のアニソンシンガー)

次回例会は、「ヨーデル食べ放題」でお馴染みの、涙と笑いの吟遊詩人・リピート山中さんと、架空のアニソンシンガー・MAGUMAさんの、「実の父子」でのご登場です!
今回のほわいえでは、お二人へのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)





―まずはリピート山中さんの名前の由来、そして「金髪」について教えて下さい。

リピート山中さん(以下、リピートさん) 実はこの名前は、少しだけ漫画家をやっていた頃のペンネームなのです。漫画家の友人の紹介で、月刊誌にギャグ漫画を描いて投稿したのですが、その時にペンネームが要るなと思って。ギャグって一度きりではなく2~3回目までいかないと面白くない、ギャグの「繰り返し」から「リピート山中」にしました。1年間ほど連載後、漫画家は辞めて、それを音楽活動の芸名でも名乗るようにしました。1回聴いていただいた方に繰り返しお会いできるような存在になりたいという思いを込めて。また現在16年目になる「山小屋コンサート」でも「繰り返し山の中」できれいに収まりました(笑)。
金髪はうちの父親がフランス人で(笑)そんなアホな(笑)これは単純に言って、何とか覚えてもらおう、目立とうと思ってです。そうしたらオフステージでも声をかけてもらえる、小学校に行くと後で送ってもらう感想文に、みんな黄色の髪の毛、青とか緑のメガネ、丸こい顔という似顔絵を描いてくれるようになりました。

―シンガーソングライターを目指されたきっかけは?

リピートさん 私が小学校の低学年の頃にグループサウンズのブームがあり、当時ブルーコメッツっていうグループがあって、ジャッキー吉川がドラムを叩いている、僕それが好きで、母親に頼んでジャッキー吉川さんに手紙で「弟子入りさせてくれ」って送ったら断られましたけどね(笑)そうこうしているうちに今度はヤングタウンなどのラジオで、フォーククルセイダースとか、ジローズとかシューベルツとか、関西フォークが流行り出し、かっこええなと。私が小学校6年生の頃、中学3年生の兄貴のギターをちょっと触らせてもらったりしているうちに、ギターを弾いて歌うことにのめり込んでいきました。中学生の頃には人前で歌って人気者になったりもして、高校入った頃からオリジナル曲をやるようになりました。学校の文化祭に出たり、あとヤングタウンの公開放送に、在学中オーディションに受かり3回も出してもらったり。でも「プロになりたい」という思いは漠然としていて、大学卒業後、どんな音楽がいいのか分からなくなった時期もありましたが、そんな時に落語家の桂雀三郎さんとの出会いがありました。
雀三郎師匠とお付き合いするようになって、ジャンルは違えどもプロの世界、芸人としての生き方を見せていただき、またあらためて音楽をしっかりやろうという気持ちが鮮明になりました。そのうち雀三郎さんにギターを教えることになり、その時すでに僕の持ち歌だった「ヨーデル食べ放題」を雀三郎師匠が歌いたいと言われ、それがドカーンと受けてあっという間にデビューが決まりました。さらにラッキーな出会いが続き、たまたまその歌をフォークの高石ともやさんが聞き、ちょっと遊びにおいでと誘われて、その時から一緒に合宿したり、演奏したりしながらいろんなことを教えていただきました。その後もお医者さんとの付き合いができたおかげでメディカルソングというジャンルができたり、山で歌いたいと思ったのがきっかけで山の歌という世界が開けたり、様々な出会いの中から次の展開が開くことの繰り返しで、今年59歳のこの年になりました。

―「体験派シンガーソングライター」とは?

リピートさん 作品って、想像力だけで作れるものといったら知れているのですよ。仮に想像で作っても、すぐ見破られる。実際そこにいる人達が聞いたら「ちゃうちゃう、そんなんちがうがな」って突っ込まれる。だから例えば診療所の歌を作ってと言われた時は、取材させて下さいとお願いし、泊まり込みで診療や往診も、それこそ白衣を着せてもらってカバン持って一緒について行き、病人さんの前で歌い、そうして曲を作る。実際に行って空気も感じて、嘘のない歌を作りたい。想像力は大事だけど、想像を支える土台の体験、取材、ちゃんと分かろうとする気持ちが大事だという意味で体験派と言っています。また歌っていても本心で歌っているから、同じように思っている人が共感してくれる。高石さんも言っておられたけど、「フォークソングっていうのは全人格的な音楽。歌謡曲はこれ歌いなさいと言われたら悪人でも紳士でも、時にはフラれた男でも演じるけど、フォークソングは演じるのではなく、人格そのものが勝負なのです」。そういうふうに教えてもらって。確かにそれだから僕はフォークソングが好きなのです。
ちなみに「ヨーデル食べ放題」は、高石さんにもいい曲だと言ってもらいました。それは何かと言えば、日本は抒情歌しかヒットしない、つまり抒情あふれる風景や気持ちを歌い上げるものしかヒットしないが、「ヨーデル食べ放題」の歌詞は「レババラレババラ食べ放題」「制限時間は90分」「ビールは別料金」ってお店に行って書いてあるのを読んだだけ(笑)。どこにも感情が入ってなく、ただ淡々と状況を唄っているだけで面白い歌を作れるのはひとつの才能だ、あなたは叙事詩ができる人だと言ってもらいました。

―MAGUMAさんとのステージのきっかけは?

リピートさん 彼と音楽を共にするようになったのは、ちょうど中学の頃に彼が登校拒否だった頃で、何か自信を持てるようなものをということと、僕と一緒に動くことで仕事を垣間見る機会になればという、そんな思いで、カホンという楽器を薦めました。そのうちにちょっとハーモニーも歌ってみないかと薦めてみたら、割と音感も良かった。声質も合うし。それでカホン叩きながらハーモニーを歌ってもらうと僕のステージでの戦力にもなってきて・・・というのがきっかけです。

―MAGUMAさんの音楽との関わり、そして架空のアニソンについて教えて下さい。

MAGUMAさん 僕は幼稚園の頃ぐらいから、人前で面白いことをしたいという気持ちを漠然と持っていました。それは母親に連れられてよく父のステージを見にいっていたことが影響しているのでしょう。思春期に父の手伝いをやっていくうちにその思いがだんだんと研ぎ澄まされていきました。中学校時の登校拒否を経て、高校でも友達関係がうまくいかなかった時期があり、その頃に父親の人気が若干妬ましく、父とは違う所に行ってやろうという思いから声優を目指した時期がありました。そもそもアニメに触れだしたのは、深夜アニメを観ていた高校生の頃で、後々に気がついたのですが、僕はアニメそのものよりアニソン(アニメの主題歌や挿入歌など)が好きでした。アニメを彩る曲にカッコイイサウンドが多くてそれに憧れた部分もあって、途中からだんだんアニメ本編は知らないのにアニソンだけを探っていました。影響を受けたアーティストは、「マジンガーZ」の水木一郎さん、「宇宙戦艦ヤマト」のささきいさおさん、あとは「ドラゴンボールZ」の影山ヒロノブさんなどです。その後、声優の活動に挫折して彷徨っていた時に、父から「架空のアニソン」というアイデアを提案してもらい今のスタイルで歌い始めたのが2012年で、それからもう7年になります。
スタートは「焼肉王子」という父から提供してもらった作品で、原始時代にタイムスリップした焼肉屋の青年が猿たちに焼肉を教えたという物語です。次に自分で作ったのが、トイレを我慢している間だけ強くなれるヒーロー「トイレガマン」。しかしこれはきっと地上波では放送できない(笑)でもそういうものを自由に作っていける。このようにテレビでは放送されないだろうというような領域まで勝手に自分で考えて、それを作品として具現化できるのが架空のアニソンの魅力です。

―夢や目標を教えて下さい。

MAGUMAさん ズバリ、本編のアニメが出来る前に、架空のアニソンで紅白歌合戦に出場することです。僕も一時期役者で挫折を味わって、何をしたらいいか分からない時期がありましたが、その時に「架空のアニソン」という道筋を教えてくれたから、前に進めました。今度は僕が迷っている人達にこんな道があるということを、それを達成することによって伝えたいです。

―最後にお二人それぞれから三木労音会員へメッセージをお願いします。

リピートさん 我々がやっている音楽というのは、「歌物語」なんです。別にスクリーンや舞台装置があるわけではないのですが、皆さんの心のスクリーンに想像力をお借りして、どんな物語、ドラマでも描ける。これは彼のやっている架空のアニソンでももちろんですけど、僕が歌っている歌も、歌を聴くだけで風景が見えて物語が心に映るというスタイルなのです。一曲一曲違う物語を皆さんの心のスクリーンに映し出します。どうぞお楽しみに!

MAGUMAさん 架空のアニソンというと取っ付きにくいかもしれませんが、アニソンを知らない方にもお勧めなのは、本編のアニメがどこにも存在しないことです。知らなくて当たり前、アニメを見ていないから分からないということはないのです。なので余計な先入観は一旦置いていただいて、純粋に音楽を楽しむという気持ちで見に来ていただけるとすごく嬉しいです。

2/23神戸喜楽館で行われた親子会公演にて。左から3人目がMAGUMAさん、右端がリピートさん。



リピート山中 プロフィール
1960年神戸市生まれ。小学生時代聴いたグループサウンズやフォークソングに影響を受け12歳から弾き語りを始める。アマチュア~セミプロとして活動を続けながら、1996年、桂雀三郎withまんぷくブラザーズとしてメジャーデビュー。 元祖フォークシンガー高石ともや氏に見出され、ソロシンガーとしての活動も本格化。
2000年、自作の『ヨーデル食べ放題』が大ヒットし、2001年長嶋ジャイアンツ公式応援ソングも担当する。TVレギュラー・ラジオパーソナリティー(担当番組がギャラクシー大賞受賞)を経て、現在さまざまなテーマで歌を作り唄うメッセンジャーとして全国を唄い歩く。
ギターを担いで北アルプスや富士山に登り行う山小屋コンサートや山頂ライブ。医師に同行しての僻地での往診コンサートなどをライフワークとする。また地球や心の環境、家族をテーマにした楽曲で、小中学校などでの『唄う講演会』の依頼を受けることも多い。出かけて出会って感じて唄う、体験派シンガーソングライター。 2015年から 『ヨーデル食べ放題』 がJR大阪環状線の鶴橋駅発車メロディーとして流れる。
オフィシャルサイト http://repe.jp

MAGUMA プロフィール
兵庫県神戸市出身の架空のアニソンシンガー。
父親であるシンガーソングライター・リピート山中と組み、2012年、実在しないアニメの設定から、主題歌、挿入歌、エンディングテーマを作り歌う「架空のアニメソング」プロジェクトを立ち上げる。
架空のアニソン代表作「焼肉王子」を筆頭に、地域のお祭りや商店街などの野外イベントに出演。架空ならではの大胆で独特な世界観を歌いあげ、関西を中心に、各イベントなどに出演している。
2017年10月より、作詞家としての活動も開始。新たなアニソン界への架け橋。
オフィシャルサイト https://maguma-fire.com


三木労音第170回例会
リピート山中×MAGUMA コンサート
2019年5月23日(木)19:00開演
三木市文化会館 小ホール
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(リピート&MAGUMA例会から参加希望の方は4・5月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

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