2012年6月29日金曜日

世界のHuun Huur Tu!in 三木!

「喉歌界のビートルズ」の異名をもつのが、彼らトゥバを代表するアーティスト「フンフルトゥ」。
元々一人で演奏するものだった喉歌「フーメイ」を、様々な伝統楽器の演奏も組み合わせながら、独自のアレンジを4人のアンサンブルで演奏するスタイルがそういわしめたのかと思っていました。

しかしそれだけでなく、その演奏、そして彼らの存在感がすごかった!

昨年決める前に、CDを聴かせてもらった時にも思ったのですが、素朴な伝統楽器を使いながら、そのサウンドは非常に洗練されていて「これは何かスゴイ」と思った直感は、大当たりでした。
実際の演奏を聴いてみて、フーメイ、スグット、カルグラーの喉歌は、録音では味わえない波動といいますか、倍音の響きが非常に豊かで、「一人で2つの声」という言葉では表せない感動がありました。
特にラディクさん(写真一番左)の高音のスグットのコブシの細やかさ、ハリ、そしてカイガルオールさん(左から2番目)の低音のカルグラーの倍音の豊かさは、聴いていてフーッと気が遠くなるような感じさえうけました。
その上、楽器の演奏も、非常に細やかで緻密なアンサンブル。イギルの擦れる音がまるで風の音がサンプリングされているようでしたし、大太鼓ケンギルゲは地鳴りのような音まで表現されていました。
本当に、彼らは耳からの感受性が非常に優れているのだなと思いました。

それらが一番結晶した作品が、ラスト近くに演奏された「ウデュゲン・タイガ」だったのではないでしょうか。
あの、遥かかなた、まだ行ったことのないシベリアの森林タイガに、まるでつつまれたかのような音。これは感動でしたね。

そして何より、曲がカッコイイ!!(もうすみません、今回は冷静ではいられません、笑)

13年前の来日以来、「待望の」というのが決して誇張ではないとよく分かりました。確かに次は私も待望だわ。


・・・と、このようなコンサートでしたが(全然わからないですか?)、
もうひとつ特筆すべきは、コンサート前に行った「歓迎会 in 玉置邸」でした。
玉置家中庭にて、ガイドさんの話を聞くメンバー

今回のツアーは、伊丹、三木、浜松、東京とわりと短期間とお聞きしていましたので、せっかく日本に来て何か日本的なことを体験していただきたいと思い、江戸時代後期に建てられたというここ玉置家住宅にて歓迎会をセッティングさせていただきました。
裏庭からひょっとこ蔵も見学。

歓迎会では、歓迎のあいさつと、歓迎の三味線演奏、そして三木が生産地である伝統的なナイフ「肥後守」などをプレゼントしました。
三味線演奏を聴くメンバー

また、メンバーのうち、ラディクさんがなんと当日が誕生日ということを事前にお聞きしていましたので、参加者みなさんと、三味線伴奏で「Happy Birthday to You」の歌をプレゼント。
表が向こうになってしまって分かりにくいですが、トゥバ語で「ラディクさん、誕生日おめでとうございます」と書いた横断幕を広げています。

そして、金物の町三木の特産品である「鉋(かんな)」をつかって、黒檀の棒を削って作る「マイ箸づくり」を体験していただきました。
 
 みなさん、作業中は真剣そのものでしたね。

できあがった箸を手にとって、はい、ポーズ!短い時間でしたが、みなさん充実感がにじみ出た表情ですね。

実はトゥバではずいぶん前に一度、箸の文化が廃れてしまったそうなんですが、最近また復活してきているとか。
メンバーの皆さんからは「こんなふうに日本の伝統を体験する機会をもらえて嬉しい」と言っていただき、ホッとしました。
ちなみに三木の後のツアー中も、この箸で食事をされていたとか・・・。こういったことが一番嬉しいですね!!
観光協会のスタッフの皆様にも感謝です!

素顔のメンバーは、とても素朴で自然体。こういう人達が世界のトップアーティストなのだなあとあらためて感心しました。
いや~、本当にすごいグループに三木に来ていただくことができましたね。
今回、フンフルトゥを日本に招聘された音楽事務所Harmony Fieldsさんと、事前の学習会(5/22)以来、フンフルトゥと聴き手の間を取り持っていただき、先日のコンサートの最後には5人目のメンバー(?)として演奏された等々力政彦さんには本当にお世話になりました。

みなさん、ありがとうございました!!!


会員さんの感想もどうぞ!
http://yumiitoh.sblo.jp/article/56706059.html

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