2012年3月22日木曜日

三木の文化の将来は?第22回定期総会まとめ

先日3/17(土)に、三木労音第22回定期総会を開催しました。今年の三木労音のテーマは「地域の中の労音」です。


三木労音は今年22年目を迎えましたが、創立から先日の「桂吉弥独演会」までで、127回ものコンサート、生のステージを開催してきました。これは、文化会館を除いて民間ではトップクラスだと思います。
また、三木労音はただコンサートを提供するだけでなく、企画・運営を会員みずからがおこなっているというところに、他とは違った値打ちがあります。
総会ではアットホームな感じで、いろんな形で盛り上げようと、様々な方にご尽力いただきました。
おいしそうでしょう?

三木労音は会員の会費で運営しています。会員の増減が、そのままコンサートにかける予算などに反映されるわけです。多くなればなるほど、高い出演料のアーティストにも来ていただけることになりますが、ここ数年は残念なことに会員数がやや減少しています。
これからも様々な魅力的なステージを実現していくために多くの新しい仲間を迎えることが必要です。そのためには、まずは私たち自身が「地域の中でわたしたちの活動が果たしてきた役割」を再度捉えなおし、そして地域の文化の未来を見据えて、私たちが今後どのような役割を果たすのかを考えていく必要があると思います。
そのような意味も込めて、今年は文頭のようなテーマで活動していきたいと思っています。


そんなわけで、今年は三木市文化会館の館長である平石恵さんをお招きして、私たちがいつも例会の会場として利用している文化会館の現状と課題についてのお話を聞きました。

 三木市文化会館の館長さんは、こんなダンディな方です♪

三木市文化会館はS61年に設立、今年4月から27年目となりました。(三木労音は22年目ですので、5年早く文化会館ができたということです)
 兵庫県下の自治体の中では、最後のほうにできた会館ということだそうで、当時の周りの会館を参考にしながら、良いものをつくろうとされ、県下5番目に大きい1300席の大ホールをもつ文化会館として誕生しました。そして、会館設立に当たっては、三木市が1億円を出して会館の管理運営を行う「三木市文化振興財団」を設立し、現在まで至っています。


文化会館のミッションとして、以下のような資料をいただきました。
これらを具現化するために、文化会館では様々なコンサートや催物を行われています。また、私たち三木労音のような自主的な文化活動の活性化のための支援も、そのミッションのひとつとして明記されています。

また、近年では、次のような独自色のある事業を積極的に推進されています。



このように、文化会館はただ単にコンサートが開かれる場ではなく、幅広い市民が芸術文化に親しみ、地域を活性化しようとされていることがわかりますね。
これらのことを実現していくためには、継続していくことが本当に大切なことだと思います。

そんな文化会館が現在問題になっていることが、「指定管理者制度」。
公立のホールは元々「市の直営型」と「財団法人などに委託型」があり、前に書きましたように三木市は後者のほうだったのですが、2003年(H15年)に国の法律で、それぞれの自治体が民間の会社にも委託することができるようになりました。それが上記の「指定管理者制度」です。
三木市では2005年(H17年)からそれが導入されました。指定管理者制度導入の結果、多くのホールが入札によって管理者を選定するということが起こるようになりました。
「利用者のサービス向上」「自治体の負担軽減」をうたってできた制度ですが、はたしてそうなっているのでしょうか。
現在の財団の任務は文化会館の管理運営が主体ですので、仮に選定から外れると即失職を意味します。対する民間からの参入は、他の会館の管理や他の事業をもつ大手企業ですので、選定から外れることに対するリスクの大きさは比べようもないといえるでしょう。三木市では文化会館の管理の期限を「3年」と定められていますが、3年ごとに失職の可能性に脅かされるのは、相当なストレスだと思います。 また管理者が変わると、どうなるでしょう?もしかしたら現在の「第九」「演劇セミナー」、その他文化会館が行っておられる事業はなくなる可能性があります。

一方「自治体の負担軽減」では、確かに管理運営費が導入前から現在まで下がってきています。しかし、維持経費として必ず必要な水光熱費や設備等の点検費がかなりの部分を占めるそうですので、結果、削れるところは職員の人件費や修繕費、ソフト面での費用などとなります。あわせて三木市では事業に対する予算は、「第九」「演劇セミナー」など一部市民参加事業を除いてありませんので、結果的には市民サービスの向上どころか、このような中でより充実した市民サービスを求めるのが厳しいという現状があります。このあたりは自治体によってずいぶん違いがあり、各自治体の文化に対する考え方が表れているところだと思います。

これから三木市を文化的にもより発展させていこうとするなら、その中核施設である文化会館がこのような状況であることは決してよくないと思います。

まずは利用者である市民がこのような状況を知り、本当に必要とするところを考えていくことが大事かと思います。 本当に必要なところに必要な措置をするためには、行政の措置が必要です。そしてそのためには最終的には市民の判断が必要なわけです。


<その他にも、会館を運営していくなかでの私たちが普段知らないいろんなご苦労や裏話なども教えていただきました。三木市の文化のために厳しい中でも多くのご努力をいただいている平石さんはじめ文化会館の職員の皆様には、あらためて本当に感謝します。これからもお世話になります。


最後はみんなで「大きな木」を歌って終わりました。

今年もがんばりましょう!!

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