2017年2月19日日曜日

【次回例会紹介】個性と融合~互いへの尊敬から生まれる至高のサクソフォン・アンサンブル ― トルヴェール・クヮルテットwith小柳美奈子

次回例会は、日本のクラシカル・サクソフォン界を長年リードし続けてこられたサクソフォン四重奏団、トルヴェール・クヮルテットの登場です!
今回のほわいえでは、トルヴェール・クヮルテットのソプラノサクソフォン奏者・須川展也さんのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)

田中靖人   須川展也   彦坂眞一郎   神保佳祐   小柳美奈子



―まずは、「トルヴェール・クヮルテット」という名前の由来を教えて下さい。

須川展也さん(以下、須川さん)中世フランスの辻音楽師、街頭で政治や恋愛を歌い語った「吟遊詩人」のトルヴェールから名付けました。
僕たちもデビュー当時は街角でよく演奏していたので、中世フランスのトルヴェールにあやかって。

―クヮルテット結成への経緯、またメンバーについてご紹介下さい。

須川さん 正式に結成する前から時々アンサンブルをしていた3人の彦坂、田中、須川でカルテットを組もうという話になり、もう1人のメンバーを探していて、我々の師匠の故 大室勇一先生に相談をして、新井くんを紹介してもらいました。
4人ともソリストとしての活動もがんばっていて、個性豊かなメンバーです。さらに活かすために、結成2年ぐらいから、編成にピアノを入れる事を思いつきました。その時から小柳美奈子にピアノを弾いてもらってます。そこから、「個性と融合」をグループのモットーにして演奏を続けております。

―今年結成30周年を迎えられたとのこと、お祝い申し上げます。これまでトルヴェール・クヮルテットで取り組まれてきたことの中で、特に印象に残っていること、また演奏活動の中で大切にしてこられたことはどのようなことでしょうか。

須川さん 印象に残るのはたくさんありすぎますが、そうですね・・・
雨天決行でNHKの公開収録で、屋外でのコンサートが行われたことがありました。テントの下ではありながら、びしょ濡れになりながらも収録を続け、後から楽器は大変なことになりましたが(笑)、かなりハイテンションな演奏になり、たくさん再放送もされました。
グループとしては、なんといっても「個性と融合」のモットーを大切にしています。各々の個性をソリスティックに活かし、また、たった1つの楽器で演奏しているかのごとく、お互いを溶け合わせて響かせることを大切に演奏しています。
お互いを尊敬し、尊重することができていて、それをずっと支えにして演奏しております。

―あらためてサクソフォン四重奏の魅力、また聴きどころを教えて下さい。

須川さん もともと表情豊かな楽器であるサクソフォンが4本揃い、表現力を4倍にして、いろんなスタイルの音楽を自由自在に演奏できることです。
4本の響きが完璧にそろうと、とても美しい豊かなハーモニーを作ります。それはまるで祈りを捧げるようです。
躍動感をもった天上の響きです!



トルヴェール・クヮルテット プロフィール
1987年に結成、2017年には結成30周年を迎える、世界トップレベルのサクソフォン四重奏団。92年東京国際音楽コンクール第2位、第5回日本吹奏楽アカデミー賞「演奏部門」受賞。98年にはTV朝日「徹子の部屋」への出演を機にその存在を広く一般にも知られるようになる。2000年にはオランダでの日蘭国交修好400年記念演奏会に招かれ各地で絶賛を浴びた。
2001年発売のCD「マルセル・ミュールに捧ぐ」は、第56回文化庁芸術祭レコード部門で大賞という快挙を遂げた。EMI他から多数CDがリリースされている。最新CDは2014年発売の「With You」(イマジン・ベストコレクション)。また2017年2月に30周年記念CDを発売予定。
「個性と融合」をコンセプトに、コンサートではサクソフォンのためのクラシカルな作品から、トルヴェールならではのオリジナル編曲作品までを展開。ボーダレスな活動内容が幅広い層に圧倒的な支持を得続けている。また、その音楽性と驚異的なテクニックによる緊密なアンサンブルが、最高峰のサクソフォン・クヮルテットとしての評価を揺るぎないものとしている。

メンバープロフィール
■須川展也(ソプラノ・サクソフォン)  Nobuya SUGAWA, Soprano Sax
東京藝術大学卒業。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞。02年NHK連続テレビ小説『さくら』テーマ演奏。名だたる作曲家への委嘱曲がSaxの新たな主要レパートリーとして国際的に広まっている。89-2010年まで東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスターを務めた。最新CDは2016年発売の「Masterpieces」。ヤマハ吹奏楽団常任指揮者、静岡市清水文化会館音楽アドヴァイザー&マリナート・ウインズ音楽監督。東京藝大招聘教授、京都市立芸術大学客員教授。使用楽器:ヤマハYAMAHA YSS-875EXG

■彦坂眞一郎(アルト・サクソフォン)  Shin-ichiro HIKOSAKA, Alto Sax
東京藝術大学大学院修了。安宅賞受賞。CBSソニー「ザ・ニューアーティスト・オーディション '88」においてFM東京賞、クリスティン・リード賞受賞。99年東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」出演。上野学園大学教授。また「裏サックス」メンバーとしても活動中。最近のCDは、08年発売の新井靖志とのデュオによる「6つのカプリス~2本のサクソフォンのための作品集~」、09年発売のソロCD「明日の方へ」(共にマイスター)。使用楽器:セルマーシリーズⅡGP

■神保佳祐(テナー・サクソフォン)  Keisuke JIMBO, Tenor Sax
群馬県出身。昭和音楽大学卒業、同大学音楽専攻科修了。卒業時に同大学の卒業演奏会に出演。JTアートホール主催公演や富士山河口湖音楽祭等に出演。アウトリーチ活動も積極的に行っている。ソロ、アンサンブルをはじめ、在京オーケストラ・吹奏楽団のエキストラとして様々な公演や録音に参加。東京芸術劇場による芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミーに第一期生として在籍中。サクソフォンを大津立史、新井靖志、有村純親に師事。使用楽器:セルマーシリーズⅢGP
※トルヴェール・クヮルテット結成時よりテナー・サクソフォンを務めていたメンバーの新井靖志が、2016年9月9日、脳出血のため永眠いたしました(享年51歳)。代わりまして、本公演は神保佳祐が出演させていただきます。

■田中靖人(バリトン・サクソフォン)  Yasuto TANAKA, Baritone Sax
国立音楽大学卒業、矢田部賞受賞。在学中に第1回日本管打楽器コンクール2位、第4回同コンクール1位受賞。CDは「管楽器ソロ名曲集」(日本コロムビア)の他、「ラプソディ」、「サクソフォビア」(東芝EMI)、「ガーシュイン・カクテル」(佼成出版社)、「モリコーネ・パラダイス」(EMI)をリリース。03年和歌山県より「きのくに芸術新人賞」受賞。現在、愛知県立芸大講師、昭和音楽大講師、東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスター。使用楽器:ヤマハYAMAHA YBS-62Ⅱ 

■小柳美奈子(ピアノ)  Minako KOYANAGI, Piano
東京藝術大学卒業。伴奏のイメージを変えてしまうアンサンブル・ピアニスト。様々なプレイヤーの呼吸の機微を読み取り、それに寄り添うしなやかな感性を数多くの公演、録音で発揮している。吉松隆「サイバーバード協奏曲」の準ソリストとしてフィルハーモニア管他多くの楽団と共演。須川展也、トルヴェールQの共演者としてのキャリアも長く、多くの録音に参加。パーカッションの山口多嘉子とのデュオ「パ・ドゥ・シャ」でCDを発表。トリオ「YaS-375」メンバー。



三木労音第157回例会
トルヴェール・クヮルテット with 小柳美奈子(ピアノ)
2017年3月27日(月)19:00開演(18:30開場)
三木市文化会館小ホール
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(トルヴェールQ例会から参加希望の方は2・3月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

0 件のコメント:

コメントを投稿