2011年10月25日火曜日

【次回例会紹介】安藤史子さん、稲垣稔さんインタビュー!

次回例会は、フルート奏者の安藤史子さんと、ギター奏者の稲垣稔さん、共に関西を拠点に活躍されているお二人の登場です。今回はお二人のインタビューをお楽しみ下さい。
聞き手/小巻健(三木労音事務局長)





―お二人それぞれの最近なさっているお仕事(活動)を教えて下さい。

安藤さん(以下敬称略) 私は現在フリーの演奏家で、「いずみシンフォニエッタ大阪」という主に現代音楽を演奏している室内オーケストラのフルート奏者として、あとはほとんどソロのコンサートが中心で活動しています。また最近では、プロのフルート奏者13名と宝塚笛の会「ビオレット・リアン」というグループを発足しまして、先日初めてのコンサートを行いました。

稲垣さん(以下敬称略) 僕もフリーのギタリストなんですけれども、今年から日本ギター協会の副会長になりまして、演奏や教えることだけじゃなくコンクールに関する仕事などにも関わるようになりました。

今年の5月には7年ぶりにフランスに呼んでいただいて、南フランスのサンマキシムというところで行われた青少年の為のコンクールでゲスト演奏をさせてもらいました。30年ぶりぐらいに昔の仲間とも再会して、非常に楽しい時を過ごせました。

またフランス時代にジャン=マリー・レモンというギタリストと二重奏のLPを出したんですけれども、その復刻版を近々出そうということになっています。その際お互いのソロを新しく録音しようということで、10月にソロの曲を録音しますが、その時にはジャン=マリーが、震災に遭われた方のために新しく書かれた「KIZUNA」という曲を録音する予定です。


―お二人がそれぞれの楽器を始められたきっかけは?

安藤 私は小さい時からピアノは習っていました。中学生のときにブラスバンド部でアルトサクソフォンを始めましたが、サックスだとどちらかというと近代のものが多いので、バロック音楽とか、違うジャンルの音楽を勉強したいなと思って、高校生の時にフルートに転向しました。

稲垣 僕は小学校の4年生ぐらい、ちょうどその当時エレキブームで近所の年上の人たちがエレキをやっていて、当時はベンチャーズとかを、周りのお兄さん達に教えてもらっていました。もっとうまくなりたいなと思って、近くのギター教室の門を叩きましたら、たまたまそこはクラシックギターを教えていた(笑)そこではじめてギターというのはピックじゃなくて指で弾くものだと分かりました。


―最初にお二人で演奏をされたのは?

稲垣 最初は15年くらい前に神戸の公館で。その時に安藤さんからお誘いをいただきまして、それが初めてだったと思います。
安藤 フランス留学中は、学校でギター科の方々と演奏する機会がしばしばあったのですけれども、そのころから私は稲垣さんの音や演奏にすごく憧れていて、ファンだったんです。でもなかなか雲の上の存在の人で(笑)声をかけるのが怖かったんですけれど、その機会に思い切って声をかけさせていただいたら、OKということで。


―フルートとギターのアンサンブルの魅力とは?

安藤 フルートっていうのは、息で演奏する楽器ですので、フレーズがすごく長く、ギターは切れていく、それが溶け合うところがすごく面白いですね。ピアノとやるときよりも、もっとギターとやるほうが生々しいというか、すごく身近にアンサンブルがより楽しめるという感じがします。

稲垣 フルートの音色にしても、ギターの音色にしても、素朴な楽器同士のアンサンブルですので、聴いている人もニュートラルな感覚で、「聴かされている」というのでなく、自分から聴き入るような感じがします。


―今回演奏される曲目についてお聞きします。

稲垣 「こきりこ変奏曲」は東京藝大元学長の野田暉行さんが、有名な民謡「こきりこ節」をテーマに作曲された作品です。30年くらい前に出来た作品で、元々はリコーダーとギターのために書かれた曲です。

安藤 「ルーマニア舞曲」は元々ピアノのソロが原曲ですけど、多分フルートギターでやることは珍しいかなと思います。本来なら原曲をむりやり違う楽器に編曲すると、下手をすると魅力が半減してしまうようなことがありますが、この曲に関しては、フルートとギターでやることによって、民族的な雰囲気とか、踊りの楽しさが、すごく生かされていると思います。

稲垣 「タンゴの歴史」はプログラムの一番の聴き所といいますか。元々がフルートとギターのために書かれた曲で、二つの楽器が非常に対等な位置で書かれて、単なるギターが伴奏という形じゃなくて、それぞれ主張するというか、非常に高度な曲です。


―最後に今回のコンサートに向けて会員の皆さんにメッセージを一言・・・

安藤 初めて三木で演奏させていただくことに、とてもワクワクと期待しています。また、素晴らしいギターの稲垣さんと共演できることも楽しみにしています。心を込めて演奏したいと思います。

稲垣 私も三木では初めて演奏させていただきます。今回プログラムにはいろんな国の曲が入ってますので、音楽の旅というか、そういうふうに浸っていただければ幸いです。みなさんどうぞ楽しんで下さい。

(2011年9月26日神戸にて)

 ※写真は今年の3/12に大阪で行われたコンサートにて撮影しました。




安藤史子 プロフィール
兵庫県西宮市生まれ。15歳よりフルートを津田公子氏に学ぶ。
1985年、神戸女学院大学音楽学部卒業。在学中、ハンナ・ギューリック・スエヒロ奨学金を受賞。1985年9月渡仏。パリ・エコール・ノルマル音楽院に入学。1988年同音楽院よりフルートと室内楽の高等演奏家資格を満場一致で取得し卒業。パリでリサイタルを開催。1988年に帰国後、大阪・東京でのリサイタルや、NHKFM「土曜リサイタル」出演、テレマン室内管弦楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団などとの数多い協演で目覚しい活動を展開する。現在、神戸女学院大学および京都市立芸術大学非常勤講師。いずみシンフォニエッタ大阪のメンバー。

稲垣稔 プロフィール
兵庫県明石市生まれ。11歳よりギターを佐本博、近藤敏明両氏に師事。75年渡仏し、パリ国立高等音楽院ギター科へ入学。80年首席で卒業。パリU.F.A.M.国際音楽コンクール、セゴビア国際ギターコンクール(スペイン)など国際コンクールで多数の優勝。帰国後、東京、大阪にてデビューリサイタルを開催。93年文化庁主催芸術祭音楽部門で「芸術祭賞」を受賞。同年イケヤ=セキ彗星の発見者として名高い関勉氏により、新発見の彗星に「イナガキ」の名が付けられた。これまでに国内外でコンサートや講習会を催すほか、TV、ラジオにも出演し幅広い活動を行っている。

【三木労音 11・12月例会】
安藤史子&稲垣稔 フルート&ギター デュオリサイタル
11月30日(水)PM7:00開演
三木市文化会館小ホール
入会は三木労音事務局(TEL&FAX0794-82-9775)までどうぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿