2014年8月26日火曜日

【次回例会紹介】ジプシーの民族魂!ティート・ロサーダ・フラメンコ舞踊団

次回例会は、三木労音では初めてのフラメンコのステージ。
ご出演いただくのは、全国労音の招聘で来日する、スペインのジプシーの頂点に立つといわれるティート・ロサーダ氏が率いるフラメンコ舞踊団です。
TITO LOSADA



スペインの宝石 ティート・ロサーダ

日本からスペインを訪れた初めての外交使節団である慶長遣欧使節団の交流から400年を迎えることを祝い、2013年6月に始まった「スペイン・日本交流400周年」~スペインイヤー~は、日本・スペイン間で2014年7月まで続きました。
そのスペインイヤーの流れを締めくくるのにふさわしい「ティート・ロサーダ フラメンコ舞踊団」の公演が日本各地で行われることになりました。
現代は多くの人々が気軽にスペイン旅行に出かけ、マドリッド、セビリア、コルドバ、グラナダなどのタブラオで、また運が良ければテアトロ〔劇場〕公演などでスペインの踊りにふれることができます。しかし最高の公演にめぐり逢うことはなかなか難しいことです。
生粋のジプシー、スペイン最高峰のギタリストである「ティート・ロサーダ」はフラメンコの音楽一家、伝統を継承してきた家に生まれました。1993年のイギリス王室ケンジントン宮殿でのコンサート、1996年エルトン・ジョンやダイアナ・ロスなどとのカーネギーホールやザグレブでのコンサートに出演しました。そして世界各地でコンサートを開催して、2002年にはミュージカルフラメンコ「千夜一夜」を、2004年には「アルマ・ヒターナ」を発表しそれらの演出も行っています。
フラメンコはスペインの舞踊の一つですが、16世紀ごろ東方〔インドの説が有力〕から南スペインのアンダルシア地方に移動してきたジプシーが生み出した音楽、舞踊と伝えられています。
南スペインのアンダルシア地方は地中海の西にあることから、古代より中世まで東方からのさまざまな文化が入ってきました。ビザンチン文化また8世紀の支配を受けたイスラムの文化などが人々の生活に溶け込み受け入れられてきました。また一方で古代ローマの文化、中世のゲルマンなど北方民族からの影響もあり、アンダルシアは西と東の異文化のるつぼとも言われたように東西諸国の文化を受け入れ、他に類のない独特な文化を育んできました。
ジプシーはそのアンダルシア地方に伝わる仕事歌や子守唄などの民衆の音楽やその地方の踊りから独自の音楽、踊りにしていったと言われています。そして18世紀になってスペイン人アーティストが融合し音楽・舞踊ともに現在の形式に発展したのです。
スペイン一地方の民族舞踊だった音楽・舞踊は、小さな域を超え今やその表現は芸術的領域に踏み込んで世界の人々を魅了し続けています。

2007年の初夏、私のリサイタル公演「花がたみ」の稽古でマドリのティート・ロサーダさんを訪ねた時のこと。一心にギターをかき鳴らす姿に、肉体は魂の一部だと感じたこと。深く美しいこの音で踊れる嬉しさに興奮してスタジオに向かったことを思い出します。
ティート・ロサーダ舞踊団の公演を皆さまと共に待ちわびております。

スペイン舞踊家  蘭 このみ






≪来日メンバー≫
ティート・ロサーダ/ギター
イーヴァン・ロサーダ/ギター
ホセ・ムーニョス・フェルナンデス/ギター
アントニオ・ロサーダ/パーカッション
ラッキー・ロサーダ/パーカッション
ガブリエル・ヘオルヒオ/カンタオーレ(歌)
ペドロ・ヒメーネス・ゴンザーレス/カンタオーレ(歌)
ラピーコ/ダンサー(男性)
サンドラ・グエレーロ“ラ・ネグラ”/ダンサー(女性)
モニカ・ゴメス/ダンサー(女性)

ティート・ロサーダ(フラメンコギター)
1986 カンパニー設立の翌年から海外に進出、国際的活動を開始。
1986~90「ラ・クンブレ・フラメンカ・エル・バイレ」に出演。
1989 初の日本公演、日野皓正と共演。ニューヨークで「フラメンコ・フュージョン」というタイトルで公演。コルドバで行われた「世界国際ギター・フェスティバル」に出演。
1993 英国王室のために「ケンジントン・パレス」で演奏。
1996 スティング主催の「カーネギーホール」でのコンサートに出演。共演者にエルトン・ジョン、ダイアナ・ロス、ジェームス・テイラー、そして映画俳優のハリソン・フォードなど世界的スターが顔を揃えた。
同年、クロアチアの首都ザグレブで行われた戦争孤児のチャリティコンサートに出演。
2000 アントニオ・カナーレス、ホアキン・コルテスと共演。
2001 東京ドームで「キリン・ラガー・フェスタ」に出演。
2008 メキシコから招待され、首都メキシコ・シティの大聖堂で「ミサ・フラメンカ」と「ロス・ヒターノス・カンタン・ア・ディオス」を演奏。東京、大阪で「アルマ・ヒターナ」の公演を行う。
2009 以後、スペイン国内は勿論、まさに世界中にかけめぐって活動中。その中には中国、日本などのアジア圏も含まれている

ティート・ロサーダ・フラメンコ舞踊団
スペインのジプシーの頂点に立つと言われるティート・ロサーダ。そのスタートはマドリードにある有名なタブラオ「ロス・カナステーロ」である。このタブラオにはカマロン、パコ・デ・ルシア、カルメン・モラ、オントニオ・ゴンザーレス、ロサ・マリア・ロドリゲス、そしてカルメン・コステルなどフラメンコ界の偉大なスター達が集い、歌い、踊っていたところであった。
1985年、ティート・ロサーダはマドリードにカンパニーを設立する。その動機は多くの才能を持った若者への援助を通して、フラメンコの普及のためであった。最初の作品「ラス・コーサス・デ・フラメンコ」でデビュー。以後毎年のように新作に挑み数多くの作品を生み出していった。その中には今回上演の「アルマ・ヒターナ」(1996年作)も含まれている。

このカンパニーは、その多くがロサーダ・ファミリーのメンバーで構成され、その音楽のスタイルは“新しいフラメンコ”を根底にし、伝統的な編成ながら、エレクトリックな楽器やインパクトのある歌を導入したりし、伝統とモダンの融合を図ってきた。それらの創造の源がティート・ロサーダなのである。




三木労音9・10月例会
ティート・ロサーダ・フラメンコ舞踊団
2014年10月1日(水)19:00~ 三木市文化会館小ホール(全席指定)
<会員>会費のみ(9・10月分会費)
<一般>5,000円
お申し込みは三木労音TEL0794-82-9775まで。
入会はホームページhttp://www.mikiroon.comからも受付できます。

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