2011年7月3日日曜日

【次回例会紹介】1930~50年代の古きよきアメリカのスウィングジャズ復興! キングコロンビア

次回例会は、20代の若者8人によるスウィングジャズのバンド、キングコロンビアの登場です!今回は彼らの音楽の魅力についてお伝えします。
なお、この記事は、6/12(日)大阪にて、本番後のキングコロンビアメンバー(岡内健氏(b)、後藤俊明氏(g)、阪本純志氏(dr)の3名)にインタビューしたものを基に構成しています。




紺のストライプスーツに中折れの帽子、革靴という揃いのファッション、艶消ししたビンテージの楽器・・・一見して「その時代」の雰囲気をかもし出す彼らは、現代の20代の若者8人によるスウィングジャズバンド「キングコロンビア」。
リー ダーの岡内健氏(ベース)によると「この時代のスタイルにこだわったバンドは他になかなかないと思いますよ。」クールな外見とセクシーでダンサブルな音 楽。確かに強烈なインパクトが彼らのステージにはある。「音楽はその時代の社会が必然的に生み出したもの」というのが持論。「1930年代ニューヨークの 摩天楼を想像してみてください。華やかで美しい町並み、そんな時代に生まれた音楽がスウィングです。軽やかなメロディーと跳びはねるようなリズムは当時の 若者達を熱狂させました。」
そんな時代背景を基にブラッシュアップされたのがキングコロンビアのステージだ。

キングコロンビアの結成はメンバーの大学時代に遡る。「大学の時に90年代のスウィングジャズのリバイバルが日本に遅れて入ってきたんですよ。その時に初めてスウィングジャズを知って、そこからどんどん遡っていって、30年代のものを聴きはじめたんです。」
2002 年当時、大阪芸大の環境計画学科で学びながらジャズ研に属していた岡内氏が影響を受けたのはデューク・エリントン、ベニー・グッドマン、カウント・ベイ シーといったビッグバンド・スウィングジャズ、そしてルイス・ジョーダン、ルイス・プリマといったジャンプ・ミュージック(ブルースを基とした黒人のダン ス音楽)、さらにザ・ブライアン・セッツァー・オーケストラなどのネオ・スウィング等々。
それらの音楽を志向し、同大学ジャズ研の岡本匡史氏(ト ランペット)、田辺直哉氏(トロンボーン)、青井丈治氏(テナーサックス)、そして芸大クラシック科の阪本純志氏(ドラム)、松田典之氏(トランペッ ト)、ポピュラーコースの泉川貴広氏(ピアノ)などのメンバーと共にセッションを始めたのが、キングコロンビアの誕生。遅れて2010年より後藤俊明氏 (ギター)がメンバーチェンジで加入により現在のメンバーとなった。

これまで帝塚山音楽祭、高槻JAZZストリート、新開地音楽祭などと いったイベントに数多く出演してきたキングコロンビア。彼らの演奏が始まると、まず先に振り向くのが70代以上の年配者だ。その世代は、戦後真っ先に流行 したジャズに酔いしれた世代、時には音楽に合わせてダンスを踊られる方も少なくないとか。
そしてその一方、キングコロンビアは若者が多く集まるク ラブイベントにも数多く出演、30代を中心に若い層にもファンを増やしている。そこで大きな役割を果たしているのがクラブDJだ。「今の音楽の伝わり方の 最先端はDJが仕掛け人で、そういう人が気に入ってくれたら『その人がいいって言うから聴いてみよう』という人がいっぱいいますね。」岡内氏もこう実感し ている。
キングコロンビアはこれまでアルバム1枚、7インチレコードを3枚発売しているが、この7インチの主な買い手がクラブDJなのだ。「DJ の人やDJにあこがれている人、そういった人たちが買ってくれて、またその人たちがイベントを手がけたりするんで、そこで『キングコロンビア呼ぼうか』と なって、いろんな地方にも呼んでもらったりするんです。そういうところではイベントのプロじゃなくて素人、いわば〝ビジネスじゃない〟人たちが呼んでくれ たりするんですね」そういう岡内氏のはにかむ横顔が、バンドのスタイルを表しているかのようだ。

結成から来年で早や10年。しかし彼らに は余分な気負いはない。「演奏する場所は自分たちでは選べません。呼んでもらえれば自分達は演奏するのみです。」それでもCDを出してからは大阪をはじ め、島根、愛知、静岡等々様々な場所に呼ばれ、各地でファンを増やしている。「年に1回はレコーディングをして、年に各都市で1回ぐらいやりたいです ね。」あくまで淡々と、しかし着実に歩みを進めている。
「実は三木労音のコンサートでは、日本の曲も1曲やろうかなと思っています。」現在進行形で進化していくキングコロンビア。最後にメンバーから一言。「ライブにはお洒落して来て下さい。できればダンスのできる格好で。」
文/三木労音事務局 小巻 健


KING COLUMBIA プロフィール

2002年に大阪で結成。1930年代から1950年代の Swing Jazz をルーツとし、独自のビート感やスイング感に、遊び心のエッセンスをふりかけた音楽。現代のNew Swing Jazz Band。
楽曲は、当時のスイング感の肝心な要素は外さず、自由な発想で組み立てるオリジナル曲が中心。ベニー・グッドマンの代表曲「SING SING SING」、チャック・リオ作曲「TEQUILA」などの名曲。
1969 年、日野皓正の隠れた名曲「SNAKE HIP」、ディズニー映画“JUNGLE BOOK”でも紹介されたクラブヒット曲「I wanna be like you」など、遊び心も覗かせ、クラブシーンから、当時の音楽をリアルタイムに愛した世代までファン層が広いのが、キングコロンビアの音楽の魅力。
web site http://king-columbia.com/

【三木労音 7・8月例会】
New Swing Jazz Band "KING COLUMBIA" キングコロンビア
7月29日(金)PM7:00開演
三木市文化会館小ホール
入会は三木労音事務局(TEL&FAX0794-82-9775)までどうぞ。

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