次回例会は、2018年の例会で初登場いただき大好評を博した、口笛奏者の柴田晶子さんに再度ご登場いただきます。
今回のブログでは、柴田晶子さんのその後の活動などをお聞きしたインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)
今回のブログでは、柴田晶子さんのその後の活動などをお聞きしたインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)
柴田晶子さん
―前回2018年は素敵なコンサートをありがとうございました。その以後、どのようなお仕事をされましたか?
柴田晶子さん(以下、柴田さん) まず、前回三木労音を訪れた際は、会場でスタッフの皆さんに歓迎していただき、ありがとうございました。初めての経験で感動したことをすごく覚えています。そして三木労音をきっかけに、その後、姫路労音、宍粟労音などにも出演させていただきました。
三木労音に出演した翌年の2019年はたくさんの仕事に恵まれました。
まずは初めてのアメリカ・ニューヨークでの演奏。コンサートは歌の方など何人かと一緒に出演したのですが、個人ではずっと夢だったセントラルパークのストリート演奏ができたことがとても楽しかったです。初めてチップもいただきましたが、そのお金は今でもアルバムに貼っています。
また、その年のNHK大河ドラマ「いだてん」の音楽に口笛で参加しました。作曲家の大友良英さんとは、以前福島県のイベントで直接お会いして以来、大友さんが担当されるテレビドラマに口笛が必要な時に声をかけていただけるようになりました。テーマ曲はすごく大人数での演奏でしたが、全員で一度に演奏して録音する「一発録り」で、楽譜も録音の現場で初めて配られ、それも大友さんの手書きの譜面で、ざっとさらうとすぐに本番録音。「今の緊張感がいいね」と、勢いやニュアンスを大事にされている方でした。実際のドラマの放送は、どこで口笛が使われているかとドキドキしながら毎回見ていました。
あと、私は口笛を吹く前は船の関係の仕事をしていたのですが、そのつながりで豪華客船の「飛鳥Ⅱ」で2回演奏したことも大きな仕事でした。
この頃本当に絶頂期の真っ只中で、アメリカのロスで行われた口笛の大会に出場して優勝し、これで世界一3冠になりました。その翌年2020年には埼玉県からグローバル賞というのをいただきました。
でも、それを最後にコロナ禍に突入してしまいました。
三木労音に出演した翌年の2019年はたくさんの仕事に恵まれました。
まずは初めてのアメリカ・ニューヨークでの演奏。コンサートは歌の方など何人かと一緒に出演したのですが、個人ではずっと夢だったセントラルパークのストリート演奏ができたことがとても楽しかったです。初めてチップもいただきましたが、そのお金は今でもアルバムに貼っています。
また、その年のNHK大河ドラマ「いだてん」の音楽に口笛で参加しました。作曲家の大友良英さんとは、以前福島県のイベントで直接お会いして以来、大友さんが担当されるテレビドラマに口笛が必要な時に声をかけていただけるようになりました。テーマ曲はすごく大人数での演奏でしたが、全員で一度に演奏して録音する「一発録り」で、楽譜も録音の現場で初めて配られ、それも大友さんの手書きの譜面で、ざっとさらうとすぐに本番録音。「今の緊張感がいいね」と、勢いやニュアンスを大事にされている方でした。実際のドラマの放送は、どこで口笛が使われているかとドキドキしながら毎回見ていました。
あと、私は口笛を吹く前は船の関係の仕事をしていたのですが、そのつながりで豪華客船の「飛鳥Ⅱ」で2回演奏したことも大きな仕事でした。
この頃本当に絶頂期の真っ只中で、アメリカのロスで行われた口笛の大会に出場して優勝し、これで世界一3冠になりました。その翌年2020年には埼玉県からグローバル賞というのをいただきました。
でも、それを最後にコロナ禍に突入してしまいました。
―コロナ禍の期間に、それまでの人生から大きく転換することがあったそうですね。
柴田さん 演奏が次々とキャンセルになり、そこではたと自分自身を振り返る時間ができました。これまで休日は演奏で出かけることが多く、家庭生活をないがしろにしていましたが、夫ともこれからの人生のことを話し合い、2022年の夏に娘を授かりました。
しかしその後、産後の具合が悪化し、手術が必要になるなどで強い不安に襲われ、眠れない日が続き、一時精神的にかなりまいってしまうということがありました。家族のサポートを受けて少しずつ回復して元気になりましたが、この時の辛い経験が自分の価値観を変える大きなきっかけになりました。
それまでの私は、エンターテイナーとして、口笛でこんなすごいことができるんだぞ、ということを見てほしくて演奏している部分もあったのですが、辛い思いをされている方、心が弱っている方には、こういう音色だったら届くかな、ということをより思って演奏していこうという気持ちに変わりました。また「このように聞いてほしい」という強い意思の音より、雨の音や風の音のように自然に流れているような音色を出したい、また出せるのが口笛の魅力なのだなということを再発見しました。そしてこの間の経験から、これまでより更に、一つ一つの演奏を自分にとっても皆さんにとっても思い出に残るものになるように、大切に取り組みたいと思うようになりました。
しかしその後、産後の具合が悪化し、手術が必要になるなどで強い不安に襲われ、眠れない日が続き、一時精神的にかなりまいってしまうということがありました。家族のサポートを受けて少しずつ回復して元気になりましたが、この時の辛い経験が自分の価値観を変える大きなきっかけになりました。
それまでの私は、エンターテイナーとして、口笛でこんなすごいことができるんだぞ、ということを見てほしくて演奏している部分もあったのですが、辛い思いをされている方、心が弱っている方には、こういう音色だったら届くかな、ということをより思って演奏していこうという気持ちに変わりました。また「このように聞いてほしい」という強い意思の音より、雨の音や風の音のように自然に流れているような音色を出したい、また出せるのが口笛の魅力なのだなということを再発見しました。そしてこの間の経験から、これまでより更に、一つ一つの演奏を自分にとっても皆さんにとっても思い出に残るものになるように、大切に取り組みたいと思うようになりました。
―今回ステージで共演してくださる方はどんな方ですか?
柴田さん ピアニストの飯田俊明さんは、すごく面白い方です。いろんな方の伴奏をされて引き出しがものすごくたくさんある方で、アレンジ力がすごい。今回のコンサートの演奏曲もすべて飯田さんのアレンジしたものを予定しています。口笛を活かしてくださるアレンジを毎回してくださっています。
飯田さんは、2021年のNHK-BSドラマ「生きてふたたび」という保護司の方を描いたドラマで音楽を担当され、そのエンディングテーマ曲に私の口笛をメインで使っていただきました。ドラマの内容は、刑務所から出てきた方が社会復帰できるように寄り添っていく保護司の活動が背景にあり、そのテーマ曲も内容も相まってすごくいい曲で、口笛が誰かに寄り添うような優しい音色だと再確認できるような曲にしてくださったことがとても嬉しく、今回のコンサートでも演奏する予定です。
チェロの三木千晴さんはとても柔かい喋り方でほんわかとした雰囲気の方ですが、チェロの音色は時にとても力強く、芯のある音色のとても素晴らしいチェリストです。お名前も三木さんで三木労音と共通しますし(笑)。チェロと口笛はすごくいい取り合わせで、音域が離れていることで、チェロが入ると口笛も吹きやすくなります。
そしてゲスト口笛奏者の中田成実さんは、初めて会ったのはまだ彼女が中学生の時でした。口笛大会で初めて会って、その時から音色がとても綺麗で、すごく私好みの音色なのです。また年齢は私よりかなり下ですが、普通に友達として仲良くなれるぐらいとても素敵な人柄で、その人柄が音色に出ているような真っ直ぐないい音色で演奏されます。
また、中田さんも三木さんも、今子育て中で良いママ友でもあります(笑)。
飯田さんは、2021年のNHK-BSドラマ「生きてふたたび」という保護司の方を描いたドラマで音楽を担当され、そのエンディングテーマ曲に私の口笛をメインで使っていただきました。ドラマの内容は、刑務所から出てきた方が社会復帰できるように寄り添っていく保護司の活動が背景にあり、そのテーマ曲も内容も相まってすごくいい曲で、口笛が誰かに寄り添うような優しい音色だと再確認できるような曲にしてくださったことがとても嬉しく、今回のコンサートでも演奏する予定です。
チェロの三木千晴さんはとても柔かい喋り方でほんわかとした雰囲気の方ですが、チェロの音色は時にとても力強く、芯のある音色のとても素晴らしいチェリストです。お名前も三木さんで三木労音と共通しますし(笑)。チェロと口笛はすごくいい取り合わせで、音域が離れていることで、チェロが入ると口笛も吹きやすくなります。
そしてゲスト口笛奏者の中田成実さんは、初めて会ったのはまだ彼女が中学生の時でした。口笛大会で初めて会って、その時から音色がとても綺麗で、すごく私好みの音色なのです。また年齢は私よりかなり下ですが、普通に友達として仲良くなれるぐらいとても素敵な人柄で、その人柄が音色に出ているような真っ直ぐないい音色で演奏されます。
また、中田さんも三木さんも、今子育て中で良いママ友でもあります(笑)。
―今回のコンサートの内容を少しだけご紹介いただけますか?
柴田さん 今回プログラムの中に、イタリア映画音楽の「ニュー・シネマ・パラダイス」を予定しているのですが、その時演奏のバックに私がイタリアで撮った写真を流して、演奏と共に見ていただこうと思っています。
イタリアには2011年からコロナ前まで毎年演奏に行かせていただいていまして、それも大きな都市ではなく、小さな村の小さな教会などで演奏をしましたが、観光地でない昔からの街並みが残っているような場所にたくさん行けたので、写真を撮りたくなる風景にたくさん出会えました。
カメラは父親から譲り受けたフィルムカメラです。デジタルカメラは枚数を気にせず撮れますが、フィルムの場合、撮れる枚数が限られますので、いろいろ吟味して撮ることが面白いですね。またフィルムは現像するまで出来上がりがわからないというドキドキもあって、「このいい風景は絶対失敗したくない、この1枚にかける!」というような気合も入ります。コンサートではそうして撮った写真の中から選んだ写真をご覧いただきます。
そして今回のコンサートでは、短い時間ですが口笛のワークショップも行います。1番基礎の音の出し方から、音程を変えるコツなどをレクチャーしますので、ご一緒に吹いてみましょう。家で練習する際のポイントなどもご紹介します。口笛を吹ける方、吹けない方も楽しんでいただければ幸いです。
あと、チェロとピアノと口笛というアンサンブルのハーモニーと、中田さんとの珍しい口笛の二重奏を楽しんでいただきたいと思います。
イタリアには2011年からコロナ前まで毎年演奏に行かせていただいていまして、それも大きな都市ではなく、小さな村の小さな教会などで演奏をしましたが、観光地でない昔からの街並みが残っているような場所にたくさん行けたので、写真を撮りたくなる風景にたくさん出会えました。
カメラは父親から譲り受けたフィルムカメラです。デジタルカメラは枚数を気にせず撮れますが、フィルムの場合、撮れる枚数が限られますので、いろいろ吟味して撮ることが面白いですね。またフィルムは現像するまで出来上がりがわからないというドキドキもあって、「このいい風景は絶対失敗したくない、この1枚にかける!」というような気合も入ります。コンサートではそうして撮った写真の中から選んだ写真をご覧いただきます。
そして今回のコンサートでは、短い時間ですが口笛のワークショップも行います。1番基礎の音の出し方から、音程を変えるコツなどをレクチャーしますので、ご一緒に吹いてみましょう。家で練習する際のポイントなどもご紹介します。口笛を吹ける方、吹けない方も楽しんでいただければ幸いです。
あと、チェロとピアノと口笛というアンサンブルのハーモニーと、中田さんとの珍しい口笛の二重奏を楽しんでいただきたいと思います。
―普段、息抜きの時にはどのようなことをされますか?
柴田さん 家で生活する時間が長くなったので、部屋で植物や熱帯魚を眺めています。生き物といるのが楽しくて。あと、娘の日々成長していく姿を見ていると癒されますね。もう2歳半になりますが、10か月ぐらいの時に私の口の形を真似て口笛らしきものを吹いていたのですよ! まだ喋ることができなかった頃のことですが、言語を覚え始めてからは吹けなくなったのです(笑)。今はおしゃべりに夢中で、口笛はやってくれないです(笑)。
―最後に三木労音会員の皆さんへメッセージをお願いします。
柴田さん 2018年にお会いした方はお久しぶりです。以前と比べて心境が変わりましたが、今のありのままの私を見て聞いて楽しんでいただければ幸いです。また今回初めて聞いてくださる方は、人間の体からこんな音色が出るのですよということを知っていただければと思います。
今回はワークショップで口笛を体験していただきますので、家で何かしている時に、鼻歌を歌うような感じで口笛を吹くようになるなど、口笛がより身近になっていただければ嬉しいです。
今回はワークショップで口笛を体験していただきますので、家で何かしている時に、鼻歌を歌うような感じで口笛を吹くようになるなど、口笛がより身近になっていただければ嬉しいです。
柴田晶子 プロフィール
秋田県秋田市出身、埼玉県さいたま市育ち。
「音楽としての口笛」を世に広めるべく、数少ないプロ奏者として活動を行っている。
国際口笛コンクールにおいて、2010 年(中国)/2012 年(アメリカ)の二度、女性成人部門で総合優勝を果たす。
近年は同コンクールの大会審査員を務め、また2014年には最も活躍した口笛奏者に贈られる「Entertainer of the Year」を受賞。
2011年以降、毎年海外でも演奏を行い各地で好評を博す。2012年埼玉県川口市より「芸術奨励賞」を受賞。
2019年マスターズ口笛音楽コンクール(アメリカ)において男女総合優勝を受賞。2020年埼玉県より「埼玉グローバル賞」を受賞。
3オクターブという広音域とあたたかみのある澄んだ音色に定評がある。
加えて、オルゴールやマリオネットも添えて詩情溢れる世界を創り、パフォーマンスの幅を広げている。
演奏活動の他、テレビ・ラジオへの出演や口笛教室講師等、多方面で活躍している。
公式ホームページ https://akikoshibata.com/
三木労音2・3月例会(第205回)
柴田晶子 口笛コンサート
2025年3月23日(日)14:00開演
三木市文化会館小ホール
三木労音会員へ入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(柴田晶子口笛コンサート例会から参加希望の方は2・3月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからの入会申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。
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