2017年8月8日火曜日

【次回例会紹介】国や文化の違いを超えて、“うた”は地球を繋ぐ―ウーマン・オブ・ザ・ワールド

次回例会は、多国籍の4人の女性シンガーによるボーカルグループ「ウーマン・オブ・ザ・ワールド」の登場です!
今回のほわいえでは、ウーマン・オブ・ザ・ワールドのリーダー・植田あゆみさんへのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)

Women of the World:(左から)
デボラ・ピエールさん (ハイチ/アメリカ出身)
植田あゆみさん (日本出身/リーダー)
アンネット・フィリップさん (インド出身)
ジョージア・レノストさん (イタリア出身)



―まずはリーダー・植田あゆみさんの自己紹介、そしてWomen of the Worldの結成の経緯をお願いします。

植田あゆみさん(以下植田さん) 皆さん初めまして。Women of the Worldリーダーの植田あゆみと申します。
小さい頃からフォークシンガーの父とデュエットで歌い、投げ銭でお小遣い稼ぎをしていました(笑)。音楽はいつも身近にあり、物心ついた頃から歌手になる!と決めていたように思います。Women of the World結成には、実は労音も大きく関わっているんですよ。
幼少の頃から、東京労音の事務局長をしていた父に海外のアーティストのコンサートを沢山見せてもらったのです。そこで、見た目も話す言葉も全く違う外国の人と出会う機会を持てたことで、日本の周りには、どんな国や文化があり、どんな人がいるんだろうと興味を持つようになりました。 
また母が広島出身ということで、平和に対して考える機会も多く、音楽、国際交流、平和への思いが繋がり、Women of the Worldのコンセプトが固まっていきました。
実際にグループを結成したのは2008年。アメリカ、ボストンにあるバークリー音楽院在学中でした。学校内で80人規模の小さなコンサートを開催したのが私たちの音楽活動の始まりです。

―メンバー皆さんの音楽に対する思い、また皆さんそれぞれにとってWomen of the Worldがどのようなバンドなのかを教えて下さい。

植田さん 音楽は私にとって、人と繋がるツールです。現在Women of the Worldでは31ヶ国語で歌っているのですが、色々な地域を旅しながら出逢った人に、その人の出身国の歌を歌ったり、知っている文化をお話しすると、とても喜んで頂けて、すぐに仲良くなれます。 
歌を歌うこと、Women of the Worldで世界の音楽を演奏することは、世界へ向けてのラブレターなんですよね。音楽を通して、あなたのこと、あなたの国のことが大好きですよというメッセージを届けたいなと思っています。

アンネット・フィリップさん 音楽は私にとっての人生、そしてWomen of the worldは私にとって家族です。本当の姉妹のようなメンバーと時間を過ごす中で、人としても大きく成長できたなぁと感じています。メンバーそれぞれ異なる部分が沢山あるのですが、互いの異なる視点や、文化背景を学ぶことを通して、多くの知識を得ました。音楽的には、Women of the Worldは、世界と繋がる窓のようです。多くのジャンルや、リズム、メロディー、ニュアンスを探求できるので。
時に大変なこともありますが、メンバーと繋がり、一緒に成長し、お客さんと繋がった時の喜びは、何物にも代え難い価値がありますし、これが私の大きな幸せなんです!

ジョージア・レノストさん 音楽は、全ての人が理解できる世界の共通語だと思います。私は昔から、人間の声で作られるハーモニーにとても魅了されていました。様々な音が合わさり“ひとつ”として完成する様は、自然界の美しさとも重なるものがありますね。
Women of the Worldは、音楽を通してより高い目的を探すチャンスを与えてくれました。私は仏教徒なのですが、まさに仏教の教えである世界平和への志と、私の芸術性が合ったプロジェクトだったんです。

デボラ・ピエールさん Women of the Worldは、忍耐強く、辛抱強く、親切さと謙虚さを持ち、感謝を忘れず、周りに優しくある事を心がけながら、平和の実現を積極的に目指すグループです。
私たちが世界にこうなって欲しいと願う、人と人、国と国との関係性を自分たちで体現していきたいと思っていて、その為に努力していますね。
音楽も同じく、私の身の周りの人と真実を共有するチャンスを与えてくれるものなんです。音楽を通して、それぞれが私たち以上に大きな何かと繋がっているということを表現できますし、まず音楽自体が私たちが想像し得ないくらい大きな力を持っています。世界の普遍的な言葉として、国境を超えますしね。

―多様な国籍のメンバーと一緒に活動する中で、文化の違いまたは共通することを感じられたエピソードがありましたら教えて下さい。

植田さん 私自身、英語が第一言語ではないので、普段の会話でもメールでも誤解が生まれてしまうことはよくありますね。あと、私やアンネットは、文化的にも、物事を遠回しに、優しく、やんわり伝えてしまうのですが、イタリア人のジョージアは、好きも嫌いもはっきり伝えますし、日本的な感覚での普通が、世界の当たり前ではないのだということを日々感じています。アメリカで活動していると、あゆみはどう思うの?はっきり言って!というスタンスなので、自分の意見をきちんと伝えることに関してメンバーから日々特訓されていますね。(でも時には、もっと気遣って話してよ!と思うこともあります。笑)
あとは、これは互いが育った文化背景によると思うのですが、濡れた傘を部屋の中で広げていたら、縁起が悪い!と嫌な顔をされたり、ラーメンをすすって食べていたら下品だ!と怒られたり、私も私で、よそわれたご飯にお箸が真っ直ぐ立てられていたら、「やめて〜」と言ってしまいますし、私たちの価値観や、信仰が、自身の国で育つ過程で身についた経緯に思いを馳せると、面白いなぁと思いますね。何が正しくて、何が悪いという価値観なんて、国によってバラバラなんだなと。
共通することですか。う〜ん。意外にも、笑いのツボが結構合うことにびっくりしましたね(笑)。みんなで南アフリカのコメディアンのショーを見ながらよくゲラゲラ笑っています。

―今回のツアータイトル「地球のうたEarth Songs」には、どのような思いが込められていますか?

植田さん 今回のコンサートでは、オリジナルも含め、イスラエルや、キューバ、セネガル、ブラジルの楽曲、そして日本民謡などを盛り込んだ演目を予定しているのですが、このコンサートで、皆さんにまるで世界一周旅行を楽しんでいるような感覚を体験して頂きたいなと思っています。
またそれぞれの楽曲のリズムや言葉の違いを楽しんで頂くと同時に、私たち皆が同じ地球人としてこの世界に暮らしていること、結局は皆繋がっている仲間なんだと感じていただけるコンサートになればという思いを込め、「地球のうた Earth Songs」としました。

―最後に三木労音会員へメッセージをお願いします。

植田さん 三木労音会員として、いつも情熱あふれる音楽家の皆さんをサポート頂き本当にありがとうございます。今回初めて三木に参ります。聞くところによると、三木は日本一の酒米、山田錦の全国一の産地だそうじゃないですか!山田錦を使用した日本酒や、特産品の長治せんべい、鍛冶屋鍋に、かじやカレー・・・何を頂こうかなぁと考えただけでよだれが止まりません(笑)
さて、今回はコンサートの前日9月6日に、皆さんと直接お会いして、交流できるイベント『地球を繋ぐシェフとシンガーが贈る 世界の料理と音楽の夕べ』も企画しています。世界196カ国の料理作りを達成されたシェフ、本山尚義さんと、多国籍なメンバーで結成された私たち、Women of the Worldの、料理と音楽のコラボレーション。楽しく、美味しく、学びある夜になること間違いなしです!このイベントにご参加頂くことで、翌日のメインのコンサートもより楽しんで頂けると思います!こちらもご家族やお友達と一緒にぜひご参加くださいね。
歴史深く、情に厚く温かい人々の町、三木を訪れるのが今からとっても楽しみです。コンサートでは、私たちと一緒に歌って踊って、盛り上がりましょうねー!

前日9/6に特別企画「地球をつなぐシェフとシンガーが贈る、世界の料理と音楽の夕べ」開催!詳しくはこちらをクリック!
https://mikiroon-blog.blogspot.jp/2017/08/blog-post_18.html




ウーマン・オブ・ザ・ワールド プロフィール
ウーマン・オブ・ザ・ワールドは、インド、イタリア、日本、ハイチ/アメリカから集まった女性シンガーから成る国際的ボーカルグループ。繊細かつダイナミックなハーモニーに定評があり、2014年度全米アカペラチャンピオン、そして観客賞のダブル受賞という快挙を成し遂げる。
世界各国のフォークソング、アカペラソング、数々のオリジナルソングを演奏し、現在楽曲のレパートリーは27カ国語以上。ブルガリアのミステリアスなアカペラ曲から、アフリカン、ラテンなど心躍る軽快な楽曲、そしてインドや、トルコのエキゾチックな曲まで、世界中の文化、スタイルを取り入れたユニークなコンサートが好評を得ている。
これまでに、ニューヨークのカーネギーホール、 ブルーノート、アポロシアター、マサチューセッツ州会議事堂、 TEDxボストン等で演奏、歌手の矢野顕子、ハリウッド女優メリル・ストリープ、グラミー賞受賞シンガーのボビー・マクフェリンをはじめ、多くの著名人から賞賛を受ける。
また、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントの推進を支援するイベントにも積極的に参加しており、女優エマ・ワトソンが親善大使を務める国連ウィメン(UN Women)とのコラボレーションや、ヒラリー・クリントン前米国務長官が設立したNGO、バイタル・ボイスのグローバル・リーダーシップ・アワードにて、クリントン氏を前に演奏するなど、音楽を通して平和のメッセージを伝えている。
http://www.wowjapantour.com/

<メンバー>
植田あゆみ (Ayumi Ueda)ボーカル
東京、足立区出身。4歳からシンガーソングライターの父と舞台に立つ。14歳の時に、NHKJrのど自慢大会でグランプリ獲得。これまでに、愛地球博、ニューヨークの国連教会で開催された被曝ピアノコンサート、カーネギーホールで行われたサマーコンサート等に出演し、ゆずの北川悠仁、シンガーソングライターの原田真二等、多数の著名アーティストと共演を果たす。ソロシンガー、Women of the Worldリーダー、サウンド/レイキヒーラー、を務める多彩な“癒し”アーティストとして、現在アメリカ、日本で活躍中。
www.almavoice.com

デボラ・ピエール(Deborah Pierre)  ボーカル
ハイチ共和国出身の両親の元、アメリカで生まれ育った24歳のシンガー、作編曲家。
これまでに、シンフォニーホール、ファニュエルホールなど世界的に有名なコンサートホールで演奏。クラシカルジャズ、ロック、伝統的なハイチ音楽など、多様な音楽ジャンルのエッセンスを取り入れ、オペラからゴスペルまで歌いこなす豊かな表現力に定評がある。 2014年バークリー音楽院卒業。作曲とパフォーマンスで学位を取得。

ジョージア・レノスト (Giorgia Renosto)  ボーカル
イタリア、トリノ出身。 弱冠17歳で、イタリアの音楽コンテスト、“Sanremo Giovani”にて Sanremoアカデミー賞受賞。これまでに、数々の受賞歴を持つアカペラグループ”L’una e Cinque”のメンバーとして活躍。さらに、ヨーローパ、アメリカにて数多くのミュージカルに出演。“婚約者”、“ ライト・イン・ザ・ピアッツァ”、“最も幸せな人”等で主要キャストを務め、その魅惑的な演技力、安定した歌唱力から、多くのファンに支持されている。現在、子供達の音楽教育を目的とした、自身のオリジナル音楽プロジェクト、”ビオレッタ”の制作を進めている。

アンネット・フィリップ (Annette Philip) ボーカル
インド出身の、シンガー、作編曲家、コーラス指揮者。 インド国内で最も大きく、多様な音楽アンサンブル、 Artist Unlimitedを設立。2011年より、バークリー音楽院ボーカル講師として就任。豊かな表現力と際立った歌唱力、そしてユニークな楽曲アレンジで多くの聴衆を虜にしている。また、アース・ウィンド・アンド・ファイアー メンバーの、フィリップ・ベイリーをはじめ、アイアート・モレイラ、 ジャック・ディジョネット、バリー・リー・ホールJR、ルー・ソロフ等、これまでに数々の著名ミュージシャンと共演している。
www.annettephilip.com

<バンドメンバー>
佐藤比奈子(Hinako Sato)ピアノ・キーボード・アコーディオン/日本
パトリック・シマード(Patrick Simard)ドラムス/カナダ
ファビオ・ピロッツォーロ(Fabio Pirozzolo)パーカッション/イタリア
レイス・シディック(Layth Sidiq)バイオリン/イラク
ガイ・バーンフェルド(Guy Bernfeld)エレクトリックベース/イスラエル


三木労音第160回例会
ウーマン・オブ・ザ・ワールド Women of the World
ジャパンツアー2017 ~地球のうた・Earth Songs~
2017年9月7日(木)19:00開演(18:30開場)
三木市文化会館小ホール
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(ウーマン・オブ・ザ・ワールド例会から参加希望の方は8・9月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

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