2016年3月6日日曜日

【次回例会紹介】すみれ(=ヴィオレット)の絆(=リアン)が結んだ、春風のような女性アンサンブル ―宝塚笛の会 ヴィオレット リアン

次回例会は、宝塚を拠点に活動されている、フルートアンサンブル「宝塚笛の会 ヴィオレット リアン」の登場です。
今回のブログでは、ヴィオレット リアンのリーダー・安藤史子さんとアレンジ担当・珍坂ゆきこさんのお二人へのインタビューをお楽しみ下さい。
(聞き手・三木労音事務局長 小巻健)





―まずはじめにグループ結成の経緯、動機を教えて下さい。

安藤史子さん(以下、安藤さん) 2011年に宝塚近辺に住んでいるフルート奏者の皆さんに声をかけて、当初は6~7人ぐらいのメンバーが集まり、まずは音を出して、楽しんでアンサンブルしてみましょうということで始めました。そこから少しずつ人数が増えて、現在所属メンバーは全員で14名となっています。
グループ結成の動機は、お互い向上していける仲間で活動していけたらなという夢があったこと、また女性奏者は出産・育児で演奏活動が途絶え、再開のきっかけが難しいという悩みがありますが、アンサンブルを通じて演奏活動に復帰できるようサポートできる場になればという願いからです。
グループの活動スタイルは地域密着型で、宝塚のまちのあちこちでフルートの音を奏でられたらという思いで始めました。これまで「宝塚音楽回廊」という催しの一環で、宝塚駅と阪急宝塚駅の間にある駅中のビルの一角や、逆瀬川のショッピングモールなどで年に1回演奏をしてきました。また2013年2月には宝塚市議会の議場で、議会が始まる前に行われる市民の方に向けての演奏会に出演しました。

―使用されるフルートの説明、またフルートアンサンブルの特徴などについて教えて下さい。

安藤さん 今回使用するのは、普通のフルートと、ピッコロ、アルトフルート、バスフルートの4種類です。音域はピッコロが普通のフルートより1オクターブ※高い音域、バスフルートが1オクターブ低い音域です。普通のフルートの音域が3オクターブあるので、合計5オクターブの音域でアンサンブルができます。なお、アルトフルートは普通のフルートの4つ下の音まで出ます。人数構成はピッコロが1人、フルートが5人、アルトフルート2人、バスフルート2人です。
またサウンド面では、普通は楽器が大きくなるとそれに伴って音量も大きくなるのですが、フルートの場合は楽器が大きくなればなるほど音の輪郭がぼやけていくという特徴があります。ですので低音域の楽器が入ってくると、ピッコロのようなよく通る甲高い音でもやわらかい音に緩和されます。どちらかというと大音量というよりも、やわらかいフルートの響きを楽しんで頂きたいと思います。ピッコロなど高いフルートの綺麗な音が低いふわっとしたハーモニーで浮き上がってくる、それがフルートアンサンブルの魅力ですね。

―今回のプログラムについて教えて下さい。

珍坂ゆきこさん(以下、珍坂さん) 前半は主に宝塚にまつわるプログラムです。宝塚というのはいろんな文化の発祥地であり、よく知られている曲がたくさんある、それをナレーション形式でひとつの文化史としてつないでいくという趣向です。
また宝塚は宝塚歌劇、手塚治虫のほかに「映画の町」でもあります。昔、当時日本最大級といわれた東宝の撮影所があり、それにちなんだ映画祭が今も行われています。その撮影所が出来た頃に流行っていた映画音楽もプログラムに加えています。
アレンジの点では、ヴィオレットリアンの場合クラシカルな部分を大切に、フルートの魅力が前面にでるようなアレンジを心がけています。でもクラシカル風ばかりだとちょっと単純になってしまうのでジャズっぽい音を入れたりもしますが、過ぎると今度はフルートアンサンブルの魅力がなくなってしまうので、音の選び方は随分気をつけています。あとは出来上がりを安藤先生の顔色をうかがいながら(笑)「あ、今回はいい!」とか(笑)

安藤さん 後半はシュトラウスの「こうもり」から始まります。皆さんよくご存知のオーケストラ曲をフルートアンサンブルだとどんなふうになるかをお聞き下さい。次はフルートカルテット(四重奏)の曲が2曲。1曲は八木澤教司(やぎさわさとし)さんという、吹奏楽などで活躍されている作曲家の方が作ったピッコロとフルートによる非常に軽快な作品です。もう1曲はギヨーという人の「ディヴェルティメント・ジャズ」という作品。これはフルート3本にアルトフルートも入った、ジャズ風な曲です。次の曲は「アンダンテとロンド」。ドップラーというフルートの名手が作った作品で、二人のフルートソリストに、通常はピアノ伴奏の所を、フルート2、アルトフルート、バスフルートの4人で演奏します。そして最後がバッハの「トッカータとフーガ」。この曲では10人の奏者それぞれが細かく役割を分担します。一人でひとつのメロディーを吹くのは簡単ですけど、それを少しずつ分け合って緻密に演奏していくっていうのが難しく、しかしうまくいけば本当に素晴らしいアンサンブルになります。自分達の力をそこで出し切りたいと思います。

―普段の練習では皆さんどのような雰囲気ですか。

安藤さん 練習のときは全員が同じ土俵に立ち、皆で相談しながら練習しています。グループとして良い所は、例えば珍坂さんはアレンジが得意だし、衣裳のことを考えたりするデザイン系の人もいるし、構成を考えたりとか、舞台進行とか、いろんな演奏会の幹事を受け持ってくれる人とか、それぞれの得意なものを出し合えるところですね。

珍坂さん 安藤先生がしっかり見守ってくださっていますので、皆さんイキイキと活動できます。

―最後に三木労音の会員へメッセージをどうぞ。

安藤さん メンバー全員、三木で演奏できることをとても楽しみに、今からワクワクしています。フルートアンサンブルの魅力が少しでも皆様の心に届くと嬉しいです。

珍坂さん 前半のナレーションと曲と、宝塚の雰囲気を味わって頂けたら非常に嬉しく思います。



宝塚笛の会 Violette Lien プロフィール

2011年5月、宝塚を中心に阪神間で活躍するフルーティストで結成。グループ名は宝塚の花 "すみれ" と「絆」という意味のフランス語を組み合わせて「ヴィオレット リアン」と名付けました。個々で活躍するメンバーが結束し、地域文化への貢献を目指し研鑽を積んでいます。2011年8月、日本フルートコンベンションin滋賀 びわこホールでデビュー。2013年日本フルートコンベンションin高松や各地イベント出演、宝塚では宝塚音楽回廊、宝塚市の議場コンサートに出演。2015年5月宝塚ベガホールにて、宝塚の魅力&フルートアンサンブルの魅力をテーマにした公演は好評を博した。ヴィオレットリアンの音色は柔らかい響きのアンサンブルが特徴です。ピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルートを使いクラシック音楽を中心にした幅広いレパートリーを持ちます。

ヴィオレット リアン ホームページ http://www.violette-lien.com

メンバー

●安藤史子
神戸女学院大学音楽学部卒業。パリ・エコール・ノルマル音楽院卒業。これまでに“Décollage”“Moment”“そよ風のたより”の3枚のCDをリリースしている。第3回日本管打楽器コンクール、第1回日本木管コンクール入賞。兵庫県新進芸術家奨励賞、大阪文化祭奨励賞、第1回松方ホール音楽賞大賞、第29回神戸灘ライオンズクラブ音楽賞受賞。現在、神戸女学院大学、同志社女子大学講師。いずみシンフォニエッタ大阪のメンバー。

●池本直絵
第51回全日本学生音楽コンクール大阪大会第3位入賞。県立西宮高校音楽科を経て、相愛大学音楽学部首席卒業。第24回「現代の波~現代音楽祭」において辻井英世氏の新作初演に参加。音楽家の玉手箱(横浜)オーディションに合格。日本スイス修好通商条約140周年記念演奏会、中之島国際音楽祭出演。NHK「ぐるっと関西お昼まえ」に出演。
これまでに大阪センチュリー交響楽団等と共演。安藤史子、持田洋の各氏に師事。

●砂守生子
武蔵野音楽大学卒業。1991年フルートデビューリサイタル出演(日本フルート協会主催)。1992年フルート、ピアノジョイントリサイタル開催。1995年フルート、クラリネット、ピアノジョイントリサイタル開催。2002年ソロリサイタル開催。エリザベト音楽大学国際セミナーにおいて、P.I.アルトー、R.シュテーゲの両氏に師事。これまでにフルートを大代啓二、播博、中山早苗の各氏に師事。現在、フルートコンコード広島、広島ウインドオーケストラ、ゼクス・シュトゥーレメンバー。ドルチェミュージックアカデミー講師。中国フルート友の会役員。演奏活動を行う傍ら、後進の指導にあたっている。

●高城克枝
9歳よりピッコロ12歳よりフルートを始め、広島音楽高等学校を経て大阪音楽大学音楽学部器楽科フルート専攻卒業。フルートを菊地洋子、竹本博、榎田雅祥、山腰直弘各氏に師事。クリスチャン・ラルデ氏の公開レッスン受講。第4回フルートコンベンションコンクールアンサンブル部門にて銀賞を受賞。現在MBS毎日放送ラジオ「加藤ヒロユキの音楽のソムリエ」にフルーティー高城として出演中。雲雀丘学園小学校課外フルート講師。

●武村美穂子
兵庫県立西宮高校音楽科を経て、京都市立芸術大学音楽学部卒業。同大学院修了。NHK洋楽オーディションに合格。A.マリオン マスタークラス in Japan 修了。京都芸術祭藤川賞、日本フルートコンベンションコンクールアンサンブル部門銅賞など各賞を受賞。NHK-FM「土曜リサイタル」、大阪国際室内楽フェスタ等に出演。ソロ、室内楽、オーケストラなどで演奏活動を展開。宝塚演奏家連盟会員。ドルチェミュージックアカデミー講師。

●珍坂ゆきこ
兵庫県立西宮高等学校音楽科を経て、神戸女学院大学音楽学部卒業。
ニューフィルハーモニー管弦楽団と二度協演。川西みつなかホールでのジョイントコンサート、なにわ芸術祭新進競演会等に出演。フルート2本によるリサイタルを2度行う。フルートを遠藤和美、山腰直弘、峰岸壮一、西田直孝、安藤史子の各氏に師事。マクサンス・ラリュー、クリスチャン・ラルデ各氏のレッスンを受講。京阪神を中心にジャンルにとらわれない活動を行っている。その他、ピアノ、オカリナ奏者としても各地で演奏活動を行う。

●藤森友香
3歳からピアノ、12歳からクラリネット、その後フルートを始める。神戸女学院大学音楽学部卒業。ワルター・アウアー、マティアスシュルツ、ヘルマン・ヴァン・コベレンベルク各氏のマスタークラス受講。これまでにフルートを林友子、安藤史子各氏に師事。第63回TIAA全日本クラシック音楽コンクール入選。2011年にはNHKの番組に出演し、須川展也氏、女優松下奈緒等と共演。その他にもトアステオータムライブに出演するなど多数のコンサートに出演。神戸国際コンクールの推新イベントに参加するなど、関西を中心に活動中。

●松田晴香
兵庫県立西宮高校音楽科を経て神戸女学院大学音楽学部を卒業。西宮音楽協会会員。宝塚笛の会のメンバー。
第9回大阪国際音楽コンクール入選、第12回長江杯国際音楽コンクール3位(1位なし)。大学から推薦を得てオータムコンサート、神戸女学院大学新人演奏会、西宮市フレッシュコンサート、フルート協会新人演奏会に出演。兵庫県民会館、兵庫県立美術館にてリサイタルを行う。
今までにフルートを今給黎麻紀、岡晢子、三瀬直子、清木ナツキ、安藤史子の各氏に師事。室内楽を林裕氏に師事。

●三浦緑
神戸女学院大学音楽学部卒業後カナダのトロント・ロイヤル音楽院留学。95年から5年間米国ロサンゼルス在住の間、多くのオーケストラやアンサンブルで演奏、ジュニア・オーケストラの指導、伴奏も行う。最近ではシンガポール・シンフォニー他多くのオーケストラやアンサンブルで活躍。アルカディア室内管弦楽団メンバー、アジア・フルート連盟理事。

●吉村 麻衣子
神戸女学院大学音楽学部音楽学科フルート専攻卒業。在学中、イギリスにて英国王立音楽院教授ウィリアム・ベネット氏のマスタークラスに参加。第10回ベガ・フレッシュコンサート、日本フルート協会主催フルート新人演奏会、第76回“若い音楽家たちの飛翔コンサート”高槻現代劇場においてブルガリア国立室内オーケストラと共演。これまでに曽根亮一氏、安藤史子氏に、ピッコロを砂守生子氏に師事。現在、ソロ、室内楽、オーケストラ、フルートカルテット“ソニーチェ”のメンバーとしても活動中。神戸女学院めぐみ会音楽教室、神戸新聞文化センター、フェリーチェ音楽院、国際楽器社各フルート科講師。第11回長江杯国際音楽コンクール最高位受賞。


三木労音第152回例会
宝塚笛の会 ヴィオレット リアン フルートアンサンブルコンサート
4月1日(金)19:00開演(18:30開場) 三木市文化会館小ホール
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(ヴィオレットリアン例会から参加希望の方は3・4月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

0 件のコメント:

コメントを投稿