労音運動の中から生まれた民族歌舞団・花こまは、27年前に姫路民族音楽研究会こまの会より旗揚げして、日本全国様々な地域で多くの公演を行われてきましたが、今回のステージはそんな中で積み上げてこられた経験が発揮された、素晴らしいステージでした。
第一部は、各地で数多く公演されてきた花こま十八番の芸能の数々を楽しみました。
寿獅子
客席に降りて一人ずつ噛んでまわるお獅子さん。「私も噛んでー」と皆さん頭を差し出して待っている人も。
花こまの地元、姫路に伝わる花田の子守唄。五木の子守唄などと同じく子守の辛さを歌った、哀愁ある旋律でした。
そして車人形浄瑠璃で「新曲まんざい」を上演。まんざいさんとやしょめさんのコミカルなしぐさに、会場から笑い声も。
また写真はありませんが、一番最初に大太鼓、締太鼓、笛、鐘による「水口ばやし」も上演されました。
そして休憩後の第2部は、お待ちかねの大作、車人形浄瑠璃による「佐倉義民伝 甚兵衛渡し場の段」。
緞帳が上がると、一部からガラッと変わって雪降る渡し場の場面が登場。素晴らしい舞台美術に「おおっ」というどよめきが起こりました。
座長の藤尾さんが弾き語りする三味線とセリフに合わせて人形が歩き、会話し、そして怒り、悲しみ、感激する、それは本当に素晴らしい舞台でした。
佐倉の殿様の過重な年貢に苦しむ農民に情けをかける名主・木内宗吾。江戸へ出向いて幕府に窮状を訴えるも願いかなわず、こうなれば命をかけて将軍に直訴し、一揆をはげますためにその礎になる覚悟をあらわすと、佐倉の農民、渡し守の甚兵衛は感激し、それなら私も懲罰覚悟で宗吾の乗る船を出そうと、二人の熱い思いと覚悟に目頭が熱くなります。
人々のために命をかけた男にまた命をかけて応えようとする男、その友情と連帯は、時を超えて今の時代にも通じる心があると本当に感じました。
花こまのみなさん、そしてサポートしてくださった姫路民族音楽研究会こまの会の大勢の皆さん、素晴らしいステージをありがとうございました!
今年最後の例会は、心に染みる感動で締めくくりました。
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返信削除>三木労音のみなさまへ
返信削除先日の公演本当にありがとうございました!
この様な機会を与えて下さり、一層皆様に喜んで頂ける作品へと進化させる事ができたと思っています。
稽古をどんなに重ねてみても、あのお客さんとの関係性の中で、どんな表現を創造できるかが鍵となって来ます。
今いる観客の皆様に喜んで頂ける様に、何度も何度も本番を重ね、改良に次ぐ改良を重ね、現在の伝統芸能に至っていると思っています。先輩方の想いを汚すことなく、高倉健ではないですが、精進に次ぐ精進で次なる嶺に向かっていくのみです。
このたびは本当にお世話になりありがとうございました!
花こまのホームページへ三木公演の感想と問い合わせが早速来ておりました。ありがたい限りです。
今後とも皆様もお元気にご活躍下さい!