2014年1月21日火曜日

【次回例会紹介】オカリナから聞こえてくる家族の息吹・・・自然体の夫婦デュオが紡ぐ、オカリナ二重奏。 揺yura(オカリナデュオ)

「オカリナ」といえば、皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか?素朴な楽器、温かい土の音色・・・土で焼いて作られた丸く愛嬌のあるフォルムからは、クラシック演奏に使われるような威厳あふれる雰囲気よりも、まるで隣の友達のように、気軽に手にとって吹いてみたくなるような、そんな親しみやすさが伝わってきます。次回例会はそんな親しみやすいオカリナのキャラクターをそのまま醸し出されている、夫婦オカリナデュオ「揺(ゆら)」の登場です。

今回例会に出演していただくにあたって、尼崎のご自宅を訪問。温かく迎えていただいたお二人からいろんなお話を聞いてきました。

左/斎藤智枝さん   右/橋詰智章さん

揺は、橋詰智章さん、斎藤智枝さんのお二人によって2004年7月に「結婚と同時に」結成。今年はちょうど10周年の節目になられます。元々橋詰さんはリコーダーを、斎藤さんはフルートを、それぞれ専門でなさっていたのですが、リコーダー・オカリナ奏者の小林達夫氏から「オカリナ合奏団をやらないか」と声をかけられ手にしたのがきっかけでオカリナの道へ。1996年に「スイートポテトオカリナ合奏団」が結成され、お二人もそのメンバーに。
「当時リコーダーという楽器は教育楽器、またバロック音楽の楽器という固定したイメージが出来上がっていたのに対し、オカリナはまだあまり知られていなくて、真っ白なイメージ。自由度が高いのが魅力でした。」(橋詰さん)
そして同じ合奏団のメンバー同士の二人が結婚。「結婚式には二人らしい何かを作って皆さんにプレゼントしようと、わらべうた、アイルランド民謡などを中心に、それまで愛奏してきたメロディから選曲し、CD録音しました。それが『SOUVENIR』(スーベニア)という1stアルバムで、二人からの“引き出物”という意味です。」と斎藤さん。私的に作成したこのCDが、後に多くの人に揺の魅力を伝えていくことになります。

話はオカリナの由来について及びます。「オカリナは元々イタリア(ブードリオという小さな町)で生まれた楽器で、鳥の形をしているのが特徴です。19世紀半ばに今の形ができたのですが、日本でも十数年前からブームとなって、多くの人がオカリナに親しまれるようになりました。11年前にイタリアで開催されたオカリナ音楽祭で演奏する機会があったのですが、当時は地元の方々にもよく知られていない楽器だったのが、今や世界中に広がっていて、日本でも更に盛り上がっていますね。」(橋詰さん)確かに現在では多くのオカリナ愛好グループがあり、各地でオカリナフェスティバルなども数多く見受けられます。

そんなオカリナブームとともに、揺のお二人も各地で演奏を重ねてこられてきましたが、その姿勢は至って自然体。「私たちの演奏を聴いていただいた方が、『次は私のところにも来て』と呼んでいただけることが多く、おかげでここまで来ることができました。本当はもう少し売りこんだりしたほうがいいのかなと思ったりもするのですが・・・。」(橋詰さん)でも、そんなふうに流れに身を任せ、あくせくしていない姿勢こそが、揺の音楽が醸し出す「ほっこり」とした癒しの音楽の素。実際にお会いしたお二人の姿から、そんなことを感じました。

ご夫婦でのコンサート活動もとっても自然体です。「それぞれが別々の演奏活動も持ちつつ、合奏団の活動にも参加しながら揺としての活動を行なっています。二人のアレンジは主に私がしますが、多くの練習をしなくても、すっと合いますね。」(橋詰さん)それはやはり生活を共にしているお二人ならではの信頼関係があってこそ。2009年に発売された2ndCD『Longing…』(ロンギング)のジャケットに写っていた小さいお子さんも今では小学生。「コンサートの時は近くにある妻の実家で見てもらっています。周囲の方の協力でこうして活動できて、本当にありがたいです。」(橋詰さん)揺のオカリナからは、こうした家族の息吹も聞こえてきます。

「2月の三木労音の例会はちょうど10周年を迎えた今年の最初のコンサートになり、嬉しく思っています。」と斎藤さん。
コンサートでは調や音色がそれぞれ違った20~30種類のオカリナを駆使し、中にはひとつの曲の中で何度もオカリナを持ち変えるアクロバティックな曲もあり、観ても楽しめます。
最後にそれぞれ一言。「オカリナという身近な楽器で、楽しく二重奏をしている様子を楽しんで下さい。」(橋詰さん)、「橋詰さんは話が長いので、トークが延びすぎないよう隣でしっかり監督します(笑)」(斎藤さん)
最後までほのぼのとした雰囲気のお二人。このまったりとした阿吽の呼吸が、オカリナの音色を伴って会場を包み、三木労音例会でもきっとまた新たなファンを増やすことでしょう。

文/小巻健(三木労音事務局長)



揺-YURA-オカリナデュオ プロフィール
それぞれがソロ・オカリナ奏者として演奏活動をしていくなかで、2人いないと成しえないようなクリエイティブなサウンドを目指し、2004年7月、結婚と同時に揺-YURA-としての活動をスタートさせる。1stアルバム 「スーベニア」をリリース。2009年4月には、2ndアルバム「ロンギング」をリリース。童謡、唱歌、歌謡曲、演歌、クラシック音楽、映画音楽、ヨーロッパなどの民族音楽、アニメソングなど、身近で楽しい音楽を独自の解釈とアレンジで演奏します。兵庫県尼崎市在住。また、ともに「スイートポテトオカリナ合奏団」の結成当初からのメンバーで、2003年にはオカリナの故郷ブードリオ(伊)でのオカリナ生誕150周年記念フェスティバルに参加。2006年5月、CD「春夏秋冬」をリリース。

オフィシャルウェブサイト http://yura-duo.net
橋詰 智章(はしづめ ともあき)滋賀県生まれ。オカリナ、リコーダー、ティンホイッスル、各種木製フルートを演奏し、関西を中心にソリストとして、またアンサンブルやバンドのメンバーとして多種多様な活動を展開している。相愛大学音楽学部器楽学科古楽器(リコーダー)専攻卒業。同研究科修了。TV番組等への自作自演による楽曲提供、出演、楽譜出版、CD録音等多数。古楽アンサンブル「ZUMEBAND」主宰。エミューズカンパニー代表。相愛大学音楽学部非常勤講師。日本オカリナコンクール実行委員。
斎藤 智枝(さいとう ともえ)兵庫県生まれ。兵庫県立西宮高等学校音楽科を経て、同志社女子大学学芸学部音楽学科フルート専攻卒業。在学中、石村雅子賞受賞。同大学音楽学会「頌啓会」特別専修コース修了。第44回全日本学生音楽コンクール大阪大会奨励賞、第46回同コンクール第3位入賞、第13回摂津音楽祭市民審査賞、大阪21世紀協会賞を受賞。現在はオカリナ、フルート奏者として関西を中心に活動している。「五弁の花」、「あうろすフルートアンサンブル」メンバー。

サポートミュージシャン

岡崎泰正:ギター
歌舞伎役者である坂東竹三郎の長男として大阪に生まれ、3歳で初舞台を踏む。13歳よりクラシックギターを小野剛藏氏に師事し、このころより作詞、作曲を始める。読売ギターコンクール、高校生の部において銀賞、大学生の部において銅賞を受賞。シンガー、ギタープレイヤーとして関西を中心に、ライブハウス、CMのレコーディング、イベントなどに於いて幅広く活動している。

田中良太:パーカッション
17歳でドラムをはじめ、学生時代より数多くのコンサート、ライブ活動を経験。ラテン、アフリカ、バルカン、アイリッシュなどな世界の民族音楽を研究し、また自身で独自の楽器の製造も行う。一つの音楽の中に、様々なリズム要素を取り入れる事ができる唯一無比のマルチパーカッションプレイヤーとして、円広志、くぬぎたけひろ、かとうかなこ等、数多くのアーティストとコンサート、レコーディングで共演。



三木労音1・2月例会揺-yura- オカリナデュオ コンサート
2014年2月21日(金)19:00開演 三木市文化会館小ホール

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